今回は電話対応・電話対応で間違いやすい正しい敬語の使い方についてご紹介します。結構多くのビジネスマンが間違ったまま敬語を使っているというケースがあり、自分で分からないまま恥ずかしい思いをしている ... という事がありますので、こちらの記事でしっかりと正しい電話対応・電話応対時の敬語をマスターしましょう。
電話応対において、正しい敬語を使うことは、相手に対する敬意を示すとともに、プロフェッショナルな印象を与えるために重要です。正しい敬語を学ぶ前に、日本語における敬語の三種類について確認しておきましょう。
日本語における敬語は主に「尊敬語」、「謙譲語」、「丁寧語」の三種類に分類され、使用する状況や意図によって異なります。
尊敬語
尊敬語は、相手の行動や状態に対して敬意を表すために使います。相手の行為や存在を高める表現で、相手を尊重する気持ちを示します。例えば、相手が何かを「する」場合、「なさる」や「される」といった尊敬語を使って表現します。
謙譲語
謙譲語は、自分または自分の内包するグループ(自分の会社や家族など)の行動を低めることで、間接的に相手を尊重する言葉遣いです。自分の行為や存在を控えめに表現することで、相手に対する敬意を示します。例えば、自分が何かを「する」場合、「いたす」や「申し上げる」といった謙譲語を使います。
丁寧語
丁寧語は、話し手が自分の言葉を丁寧にするために使います。相手に対する敬意を示すものではありますが、尊敬語や謙譲語とは異なり、話し手の行動や状態に関わらず一般的に使われます。例えば、「です」「ます」のような終助詞を使って、文を丁寧にします。
「お待たせしました」の誤用
誤: 「お待たせいたしました」
正: 「お待たせしました」
「お待たせしました」は謙譲語です。「いたしました」を付け加えると二重敬語となり、不適切です。これは良くある例で、メールでも「お待たせいたしました」と書いてしまっている人が多い印象ですが、正しい敬語は「お待たせしました」になります。
「いただく」の誤用
誤: 「お電話いただきました」
正: 「お電話くださいました」
「いただく」は謙譲語で、自分または自分の所属するグループが受ける行為に対して使います。相手の行為を尊敬する場合は「くださる」を使用します。
これもよく誰に対しても「お電話いただきました」と言ってしまう人は多いのではないでしょうか。謙譲語には話す相手 (自社、他社) によって言葉使いが異なりますので注意しましょう。
「させていただく」の過剰な使用
誤: 「確認させていただきます」(自分の行動に対して過剰に謙虚になる必要はない)
正: 「確認します」
「させていただく」は謙譲語の一種で、許可や恩恵を受ける意味合いがあります。しかし、自分の当然の業務や行動に対して使うと過剰な謙虚さとなり、不自然です。
「確認致します」程度で留めておくと良いのではないでしょうか。
「ございます」の誤用
誤: 「お名前がございますか?」
正: 「お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「ございます」は尊敬語ですが、質問形式で使う場合は不自然になることがあります。相手に何かを尋ねる際は、「お伺いしてもよろしいでしょうか?」の形を使うと自然です。
これはあまり間違っている人はいない印象を受けますが、もしも「お名前がございますか?」のように使用している場合は注意しましょう。
「する」の敬語表現
誤: 「お送りするします」
正: 「お送りいたします」
動詞の敬語表現には注意が必要です。「する」の謙譲語は「いたす」ですが、動詞に直接「する」を付け加えると誤った表現になります。
「頂戴する」の使用
注意: 「資料を頂戴することは可能でしょうか?」
「頂戴する」は「いただく」の尊敬語表現として使われることがありますが、正確には自分が何かを受け取る際の謙譲語です。相手から何かを受け取る際に使うのが適切です。
「おります」の誤用
誤: 「ただいま外出しております」(自分の行動に対して)
正: 「ただいま外出中です」
「おります」は謙譲語ですが、自分の状態を述べる際には「います」の丁寧形「います」を使うのが適切です。
「申し上げる」の不適切な使用
誤: 「ご連絡申し上げます」(一般的な連絡に対して)
正: 「ご連絡いたします」
「申し上げる」は非常に謙虚な表現で、重要なお知らせや謝罪の際など、特別な状況で使用します。日常的な連絡には「いたします」が適切です。
「頂戴する」の誤解
誤: 「ご意見を頂戴します」(相手から意見を聞く際)
正: 「ご意見をお伺いします」
「頂戴する」は物を受け取る際に使う謙譲語です。意見や情報を聞く際には「お伺いする」が適切です。
「いたす」の誤用
誤: 「ご案内いたします」(案内する行為に対して過度に謙虚)
正: 「ご案内します」
「いたす」は「する」の謙譲語ですが、業務上の行為に対しては「します」の方が自然な場合が多いです。ただし、文脈や相手によっては「いたします」の方が適切な場合もあります。
上記で取り上げた敬語の使い方を正すことで、洗練された正しい敬語の使い方ができるようになるはずです。敬語を使う際は、尊敬語、謙譲語、丁寧語をしっかりと理解することが必要です。日々の業務の中で意識して使うことで、自然と正しい敬語を使えるようになるはずです。