社会というのは、お互いにお願いをされたり、逆にお願いをしたりすることで成り立っている側面があります。日常生活はもちろん、仕事においても、こうした「依頼のやり取り」は非常に重要です。
特に社会人であれば、どのような規模の組織に所属しているかを問わず、さまざまな場面で依頼を受ける機会があるでしょう。また、同時に自分自身が他者に依頼をする立場になることも少なくありません。
・仕事を円滑に進めるためには、依頼を適切に行うことが必要不可欠
仕事を円滑に進めるためには、依頼を適切に行うことが必要不可欠です。特に、相手にとって失礼のない形で、かつ要件を明確に伝えるスキルが求められます。相手が快く引き受けてくれるような依頼の仕方を身につけることで、仕事の効率や人間関係の質が大きく向上するでしょう。
・ビジネスの場面では、メールや電話を使って依頼を行うことが一般的
そこで本記事では、「依頼編」と題して、依頼をする際のポイントや具体的な手法について解説していきます。特にビジネスの場面では、メールや電話を使って依頼を行うことが一般的です。
それぞれのツールには独自のルールやマナーがあり、それらを意識しないと相手に誤解を与えたり、場合によってはマイナスの印象を与えたりする可能性もあります。本記事では、依頼をする際の基本的なマナーに加え、メールの書き方や電話での伝え方についても具体的な例文を交えながら分かりやすく解説していきます。
これを読めば、どのような場面でも自信を持って依頼できるようになるはずです。ぜひ最後までお読み下さい。
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見積りの依頼
見積りを依頼するメールを作成する際には、まず最も重要なのは、依頼相手に具体的に何をお願いしたいのかを明確に伝えることです。こちらの要望や条件を整理し、簡潔かつ分かりやすい形で伝えることが大前提となります。
この段階で情報が不十分だと、相手にとって回答が難しくなるだけでなく、やり取りが何度も往復してしまい、結果的に時間がかかる可能性があります。また、相手がスムーズに対応できるよう、「答えやすい言い回し」を意識することも重要です。
例えば、納期や料金の条件などを明確に提示する一方で、「もしご都合が悪ければご相談ください」といった柔軟な対応を求める一文を添えると、相手がプレッシャーを感じることなく返答しやすくなります。
さらに、誠実さを示すことも忘れてはいけません。見積りを依頼するということは、相手の手間をお願いする行為でもあります。冒頭に依頼の背景や目的を簡単に説明し、「お忙しいところ恐縮ですが」「ご対応いただけると幸いです」などの丁寧な言葉遣いを用いることで、相手に対する感謝や配慮を伝えることができます。
<見積りを依頼するメール例文>
「株式会社○○ ○○様
いつもお世話になっております。
◆◆の◆◆です。
早速ですが、弊社では現在貴社の~を検討しております。
つきましては以下の内容でお見積りをお願いしたく存じます。
<見積書について>
・XXX
・XXX
・XXX
~が〇月〇日(〇)におこなわれますので、前日の〇日(〇)までに見積書をお送りいただければと思うのですが可能でしょうか? 難しい場合にはお知らせいただけると幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
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◆◆(社名) ◆◆(フルネーム)
〒000-0000 (会社の住所)
電話 00-0000-0000 / FAX 00-0000-0000 / メール (メールアドレス)
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電話で見積りを依頼する場合、お願いする立場であることを忘れないようにしましょう。
一方的にこちらの希望や要望を伝えるのではなく、それが可能なのかを確認するようにしてください。
<見積りを依頼する電話例文>
いつもお世話になっております。
今、お時間よろしいでしょうか?
早速なのですが、弊社では現在御社の~を検討しておりまして、お見積りをお願いしたいと思っております。
お見積りをお願いしたいものはXXX、XXX、XXXの3点なのですが、可能でしょうか?
ありがとうございます。
~が〇月〇日(〇)におこなわれますので、できれば前日の〇日(〇)までに見積書をお送りいただければと思っておりますが、こちらは可能でしょうか? ありがとうございます。
では、そのような形でお願いできればと思います。
よろしくお願いいたします。
では、失礼いたします。」
アポイントの依頼
アポイントの依頼に関しても、基本的な考え方は他の依頼と変わりません。つまり、依頼相手に具体的に何をお願いしたいのかを明確にし、それを簡潔に整理したうえで伝えることが大前提です。
その際、相手が答えやすい言い回しを心がけ、相手に対する配慮や誠実さを文章や言葉の選び方でしっかりと示すことが大切です。依頼する側としては、相手に負担をかけすぎず、スムーズに応じてもらえるような工夫が求められます。
・アポイントの依頼では、具体的な日程の候補を提示する
ただし、アポイントの依頼には特有のポイントがあります。それは、具体的な日程の候補を提示することです。相手にスケジュールの調整を依頼する以上、こちらから可能な日程をいくつか挙げて提案することが望ましいです。候補日が提示されていないと、相手が逆に日程を考える手間を負うことになり、依頼がスムーズに進まなくなる可能性があります。
・日程を提示する際には、相手の立場や都合を考慮した配慮も大切
日程を提示する際には、相手の立場や都合を考慮した配慮も重要です。たとえば、「明日」「明後日」といった急すぎるスケジュールは避け、最低でも1週間以上の余裕を持たせた日程を提案するのがマナーといえます。
また、提示する候補日は少なくとも2~3つ以上挙げると、相手が自分のスケジュールに合わせやすくなります。このとき、時間帯や曜日を変えて幅広く提案することで、さらに選択肢の幅を広げることができます。
・時間帯も明示すると相手が具体的にイメージしやすくなる
たとえば、「〇月〇日(火)の午前中」「〇月〇日(水)の午後3時以降」「〇月〇日(木)終日」といった形で、時間帯も明示すると相手が具体的にイメージしやすくなります。さらに、相手が提案された候補日で都合がつかない場合を想定し、「上記以外でもご都合の良い日時をご教示いただけますと幸いです」といった一文を添えることで、柔軟性を示すことができます。
このように、アポイントの依頼では、相手の都合を最優先に考えた配慮が信頼感を生み、スムーズなやり取りにつながります。具体的な日程の提示とともに、誠実さや丁寧な言葉遣いを忘れずに、相手にとって負担の少ない依頼を心がけましょう。
<アポイントを依頼するメール例文>
「株式会社○○ ○○様
いつもお世話になっております。
◆◆の◆◆です。
先日の件なのですが、~ができました。
つきましては詳細についてご説明させていただきたいのですが、お打ち合わせのお時間をいただけないでしょうか。
今週でしたら以下の日程で伺うことが可能です。
<候補日>
・〇月〇日(〇) XX:XX~XX:XX
・〇月〇日(〇) XX:XX~XX:XX
・〇月〇日(〇) XX:XX~XX:XX
○○様のご都合をご返信いただけますと幸いです。
お忙しいところ誠に恐縮ですが、是非ご検討のほどよろしくお願いいたします。
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◆◆(社名) ◆◆(フルネーム)
〒000-0000 (会社の住所)
電話 00-0000-0000 / FAX 00-0000-0000 / メール (メールアドレス)
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電話の場合、その電話で日程を決めてしまうのであれば、絶対に間違いがないように復唱した上で確認を取るようにしましょう。 もちろん、相手がスケジュールを確認してかけ直すということもあるかもしれませんので、そのあたりは臨機応変に対応していくよう心がけてください。
<アポイントを依頼する電話例文>
「いつもお世話になっております。
◆◆の◆◆です。
今、お時間よろしいでしょうか?
実は先日の件なのですが、~ができました。
詳細についてご説明させていただきたいので、お打ち合わせのお時間をいただけないでしょうか?
ありがとうございます。
日程なのですが、今週でしたら〇月〇日(〇) XX:XX~XX:XX、〇月〇日(〇) XX:XX~XX:XX、〇月〇日(〇) XX:XX~XX:XXにお伺いすることができます。
はい、〇月〇日(〇) XX:XX~XX:XXですね。
かしこまりました。
では、〇月〇日(〇) XX:XX~XX:XXにお伺いいたします。
よろしくお願いいたします。
では、失礼いたします。
>>> 社内向け <<<
上司への協力依頼
上司への協力依頼というのは、社会人であれば必ず通る道です。上司に限ったことではないのですが、協力してもらうということは相手に時間を割いてもらうことでもあります。
そのため、内容はわかりやすく簡潔にまとめ、最後には相手への配慮を忘れないようにてください。簡単な内容であればメールの本文でまとめてしまっても問題はないのですが、もし長文になってしまいそうなときには別途まとめて添付ファイルとして送信したほうがいいでしょう。
<上司へ協力を依頼するメール例文>
「〇〇部長
お疲れ様です。 ◆◆です。
突然メールをお送りする失礼をお許しください。
来月、~に関する~が完成いたしましたので、その内容につきまして、〇〇部長の貴重なご意見を伺いたくご連絡いたしました。
内容に関しては添付ファイルでお送りしております。
一度お目通しいただき、ご意見やご感想をお聞きできましたら幸いです。
お忙しい中、大変恐縮ではございますが、何卒宜しくお願い申し上げます。
◆◆(部署と名前)」
電話の場合、上司がOKしてくれた時点ですぐにお礼を伝えましょう。
短い内容であればそのまま口頭でOKですし、ボリュームがあるようなら別途メールを送って確認してもらうといった形で臨機応変に対応してください。
<上司へ協力を依頼する電話例文>
「お疲れ様です。 ◆◆です。
今、お時間よろしいでしょうか?
来月、~に関する~が完成いたしましたので、その内容につきまして、〇〇部長の貴重なご意見を伺いたくご連絡いたしました。
ありがとうございます。
詳細に関しましてはメールにて添付ファイルでお送りさせていただきますので、一度お目通しいただき、ご意見やご感想をお聞きできましたら幸いです。
よろしくお願いいたします。
では、失礼いたします。」
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