働いている方にとって、苦情やクレームというのはできれば避けたいと感じることが多いものです。気分の良い話ではありませんし、時には対応に大きなストレスを感じることもあるでしょう。
・苦情やクレームはネガティブな側面だけではない?
しかし、苦情やクレームはネガティブな側面だけでなく、「何かを改善するチャンス」であるとも言えます。特にサービスや商品に対するフィードバックとして捉えることで、より良い結果につながるケースもあります。
・なぜ不満を感じたのか、何が期待と異なっていたのかを整理する
苦情やクレームを入れる際は、単に感情的に不満をぶつけるのではなく、具体的かつ冷静に伝えることが大切です。なぜ不満を感じたのか、何が期待と異なっていたのかを整理し、それを相手に分かりやすく説明することで、より建設的な対話が可能になります。
例えば、「商品の配送が遅れました」という苦情でも、「◯月◯日に注文した商品が、予定より3日遅れて到着しました」というように具体的な日時や状況を明示すると、相手も対応策を考えやすくなります。
・苦情やクレームを伝える際には、相手が対応しやすい環境を整える
さらに、苦情やクレームを伝える際には、相手が対応しやすい環境を整えることも重要です。メールを使う場合は、件名に簡潔に要件を記載し、「状況の改善をお願いしたい」という柔らかいトーンで書き始めると、相手も構えずに内容を読んでくれるでしょう。
また、電話の場合は、感情的な言葉遣いを避け、相手の名前を確認した上で冷静に話を進めるのが基本です。たとえば、「お忙しいところ恐縮ですが」といった前置きを入れることで、相手の心情に配慮したコミュニケーションが取れるようになります。
・解決策や期待する対応を明確に伝える
また、苦情やクレームを入れる場合、ただ問題を指摘するだけでなく、解決策や期待する対応を明確に伝えることも大切です。たとえば、「今後は配送状況の詳細を事前に教えていただけると助かります」といった要望を添えることで、相手にとっても対応の方向性が明確になります。
そして、相手が誠意を持って対応してくれた場合には、必ず感謝の気持ちを伝えましょう。苦情を受け取る側も、ストレスやプレッシャーを感じていることが多いものです。「迅速にご対応いただきありがとうございました」といった一言が、相手との関係を良好に保つ大きなポイントとなります。
<p>こちらの記事では、「苦情/クレーム編」と題し、メールや電話での苦情やクレームの伝え方について、具体例を交えながら解説していきます。正しい伝え方を学ぶことで、問題の解決だけでなく、サービスや商品そのものの向上にもつながる建設的なアプローチを実現できるでしょう。
苦情やクレームは、適切に扱えば相手にも自分にも価値をもたらす重要なコミュニケーションの一環です。
担当者への苦情
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担当者に対する苦情を伝える際には、どれほど問題が大きいと感じた場合でも、丁寧な表現を心がけることが大切です。感情に任せた高圧的、威圧的な態度は、逆効果となり、問題解決をより困難にしてしまうことがあります。冷静かつ誠実な姿勢で伝えることで、相手との信頼関係を損なわずに建設的な解決を目指すことができます。
・メールで苦情を伝える際には、柔らかい言葉で切り出す
たとえば、メールで苦情を伝える際には、柔らかい言葉で切り出すと、相手も話を受け入れやすくなります。一方的に責めるのではなく、「こうした状況が起きたため、改善が必要だと感じています」というように、具体的な事実を基に伝えることを心がけましょう。
・いつ、どのような状況で問題が発生したのかを簡潔にまとめる
この際、いつ、どのような状況で問題が発生したのかを簡潔にまとめることで、相手にとっても状況が理解しやすくなります。また、業務に支障をきたしている場合には、単に苦情を述べるだけではなく、今後どのように対応してほしいのか、具体的な要望を伝えることが大切です。
たとえば、「次回からは事前に確認のご連絡をいただけると助かります」や「対応のスピードをもう少し早めていただければ非常にありがたいです」といった形で、解決策を提案することで、相手も行動を取りやすくなります。
・伝え方次第で、相手の受け止め方やその後の対応が大きく変わる
苦情の内容を伝えること自体は難しいものですが、その伝え方次第で、相手の受け止め方やその後の対応が大きく変わります。適切な言葉遣いと柔軟な姿勢を持ちながら、相手に改善の必要性を伝えることで、双方にとって納得のいく結果を目指しましょう。
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<担当者への苦情メール例文>
株式会社○○
○○様
平素よりお世話になっております。
◆◆の◆◆です。
さて、大変申し上げにくいのですが、弊社を担当くださっているXXさんについてご相談申し上げます。
実は、XXさんのご対応によりいささか業務に支障が出ております。先日、商品「XXX」の注文の個数変更のお願いをしたのですが、ご連絡をいただけませんでした。
再度の依頼にも回答がなく、最終的に別の担当の方にご対応いただきました。ご多忙な時期ということもあり、仕方がないのかもしれませんが、やはりご回答いただけないというのはいかがなものかと存じます。
以前も同様のことがあったのですが、誠意ある謝罪もいただけません。さらに、その後もこちらの要望を聞いてくださらないので、私どもとしては困惑いたしております。
弊社とのお取引は、今後も継続したく考えておりますので、担当の方につきましてはご配慮いただけますと幸いです。
ご対応のほど、よろしくお願いいたします。
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◆◆(社名) ◆◆(フルネーム)
〒000-0000 (会社の住所)
電話 00-0000-0000 / FAX 00-0000-0000 / メール (メールアドレス)
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電話をする場合も、感情的にならないように気を付けましょう。電話越しとは言え、自分の口で説明していくうちに興奮して感情的になってしまうということもありますので、常に意識しておいてください。
不愉快だから担当を変えてほしいという表現ではなく、あくまでも業務に支障が出るから困るというスタンスで相談をしましょう。
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<担当者への苦情電話例文>
いつもお世話になっております。
◆◆の◆◆です。
今、お時間よろしいでしょうか?
本日は、弊社を担当くださっているXXさんについてご相談したいことがありまして、お電話いたしました。実は、XXさんのご対応により業務に支障が出ております。
注文した商品の個数変更のお願いや再度の依頼にもご連絡いただけず、最終的に別の担当の方にご対応いただきました。
もちろん、ご多忙な時期というのは理解しておりますが、やはりご回答いただけないと業務に支障をきたしますし、以前から同様のことがあって誠意ある謝罪もいただけておりません。
御社とのお取引は、今後も継続したく考えておりますので、担当の方につきましてはご配慮いただけますと幸いです。
ご対応のほど、よろしくお願いいたします。では、失礼いたします。
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対応への苦情
対応への苦情に関しても、担当者への苦情と同じように丁寧な表現と何をしてほしいのかを明確に伝えることを意識してください。
高圧的、威圧的な文面はNGです。
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<対応への苦情メール例文>
株式会社○○
○○様
平素よりお世話になっております。
◆◆の◆◆です。
XX月XX日に納入された商品「XXX」について、ご連絡させていただきます。
商品「XXX」において10個のうち1個に破損があり、納入直後にご担当のXX様に連絡をいたしました。
XX様の説明によりますと~のため、~とのことでした。
~後に、代替品を発送いただけるとのことで、こちらも了承したのですが、X週間経った本日もまだ代替品が届かず、XX様からのご連絡もありません。
~かと拝察いたしますが、いささかお時間がかかっているようです。当方も業務に支障をきたしておりますので、早急に代替品をお送りいただきたく存じます。
確実な納品日について、本日中に折り返しお電話をいただきますようお願いいたします。
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◆◆(社名) ◆◆(フルネーム)
〒000-0000 (会社の住所)
電話 00-0000-0000 / FAX 00-0000-0000 / メール (メールアドレス)
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電話の場合も丁寧な表現で何をしてほしいのかを伝える必要があるのですが、どれだけ焦っていても早口でまくし立てるようにならないよう気を付けてください。
電話だと声色や声のトーンで感情が伝わってしまうこともあります。
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<対応への苦情電話例文>
お世話になっております。
◆◆の◆◆です。
今、お時間よろしいでしょうか?
XX月XX日に納入された商品「XXX」についてなのですが、10個のうち1個に破損があり、納入直後にご担当のXX様に連絡をいたしました。
代替品を発送いただけるとのことだったのですが、X週間経った本日もまだ代替品が届かず、XX様からのご連絡もありません。
当方も業務に支障をきたしておりますので、早急に代替品をお送りいただきたいと思っております。
確実な納品日について、本日中に折り返しお電話をいただけますでしょうか?よろしくお願いいたします。では、失礼いたします。
納品物への苦情
納品物への苦情というのは言いにくいかもしれませんが、こちらも感情的にならずどう改善してほしいのかを明確に伝えるようにしましょう。
期日がある場合には期日も示すようにしてください。
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<メール例文>
株式会社○○
○○様
平素よりお世話になっております。
◆◆の◆◆です。
さて、先日納品いただいたXXについて、再提出していただきたくご連絡させていただきます。
確認したところ、何点か不備が見つかりました。
早急な善処をお願いいたします。
~の点、~の点は見過ごすことのできない不備ですので、全体的な見直しの上、再提出をお願いいたします。
XX月XX日(X)の~に必要になりますので、早急にご対応をお願いいたします。
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◆◆(社名) ◆◆(フルネーム)
〒000-0000 (会社の住所)
電話 00-0000-0000 / FAX 00-0000-0000 / メール (メールアドレス)
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文面だと一方的に見えるかもしれませんが、実際に話すときには早口で一方的にまくし立てるような印象を与えないようにしましょう。
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<電話例文>
いつもお世話になっております。
◆◆の◆◆です。
今、お時間よろしいでしょうか?
先日納品いただいたXXについてなのですが、確認したところ、何点か不備が見つかりました。
~の点、~の点は見過ごすことのできない不備ですので、全体的な見直しの上、再提出をお願いいたします。
XX月XX日(X)の~に必要になりますので、早急にご対応をお願いいたします。
では、失礼いたします。
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