ビジネスパーソンとして身につけて置かなければいけないスキルと、将来役に立つスキルについて解説いたします。
普通に、会社務めを続けていくのであれば基本スキルだけでも問題はないのですが、その後にスムーズな出世や、転職、独立などを考えているのであればさらなるスキルが必要です。
そこで、ここではそんなビジネスパーソンのスキルについて迫ってみます。
社会人としての基本的なビジネススキルとは?
ではまず、社会人としてまず身につけておきたいスキルについて見ていきましょう。
基本的なビジネススキル ①ビジネスマナー
まずはビジネスマナーです。
ビジネスマナーの基本は「身だしなみ」「挨拶」「言葉遣い」「電話応対」「上下感覚」ということになるのですが、これは社会人になる前に身に着けておきたいですね。
「身だしなみ」社会人として当然の服装、そして、その業界に合わせた装いなどがこれに当たります「挨拶」社会生活状の基本的な挨拶からビジネス特有の挨拶、その時の身のこなしなどです。「言葉遣い」主に敬語になります。
「電話応対」電話に如何にして出る、どう答える、どう伝えるなどといった電話応対業務のノウハウです。「上下感覚」名刺交換や上座下座の知識。接遇の基本になります。
ちなみに秘書検定の受験者割合は、以下の通りで約78%が社会人になる前の学生が受験しています。
(出典:公益財団法人実務技能検定協会)
基本的なビジネススキル ②ホウ・レン・ソウ
これは、社会人の基本中の基本。どのような会社であれ、それこそアルバイトのような人であっても、しっかりと見に付けて置かなければいけない基本です。
「報告」伝えたいことを伝えるのではなく、知りたいことを伝えるというスキルになります。「連絡」組織の横方向に働くコミュニケーション。コストのかからない業務成績の向上につながるスキルです。「相談」業務内容の改善や対応を上の立場の人間に相談することです。
業務マネジメントサイクル(PDCA)
企業の業務の中心であり、プロジェクトの大小に関わらない問題解決の方法です。仕事を勧めていく上で、ほとんどがこのサイクルで行われ、この手順で物を考える癖をつけることが、重要なスキルになるのです。
「計画(PLAN)」業務の成功に対しての目標までのプロセスを決める行動です。
「実行(DO)」計画に沿って、実際の行動に移ります。
「評価(CHECK) 」自分の行動に対する評価をして、その成果を確認します。
「改善(ACTION)」評価を受けて、さらに良い計画につなげていくものです。
将来役に立つスキル
それでは基本スキルの上に重ねて覚えておきたい、キャリアアップに欠かせないスキルを見ていきましょう。
交渉スキル
交渉スキルは、話し合いの中で合意に持ち込んでいくスキルです。まず必要なのは情報収集のスキルになります。これは交渉中の対応力に関わってくるスキルで、情報を沢山もっている方が常に優位に話を進めることができます。
評価のスキル
相手がどんな人間でどのようなことに興味関心があるのかを見抜くスキルです。相手のニーズに沿った交渉を展開していくためのスキルです。
そして人間力のスキル。これは、交渉相手、特にその交渉の要になる人間や実力者の懐に飛び込むスキルで、そのためには、カウンターパーティー(*1)だけではなくその上役についての情報をしっかりと持っておくことが必要です。
(*1)カウンターパーティー(Counterparty)とは契約相手や取引先企業のことをいいます。
最後は問題収拾のスキルです。自分の実力や交渉の進展具合、カウンターパーティーの意向などを踏まえて、今後の取引を考えた上での落とし所を見つけそこに落とし込む力です。
トークスキル
基本スキルの上に重ねておきたいトークスキルです。まず必要なのは要約のスキルになります。話したいこと、伝えたいことの要点をしっかりと意識して、わかりやすく頭の中でまとめておくスキルです。
次に必要なのは伝達のスキルです。落ち着いてゆっくりと話し、聞いている人の注目をしっかりと惹きつけたまま話をしていくスキルです。
最後は説得のスキルです。相手に自分の意見をしっかりと認識してもらうスキルで、具体性とスートリー性を持って行動につなげてもらうスキルです。
ヒアリングスキル
自分の意見を出すだけではなく他人の話を聞くヒアリングスキルも重要です。まず必要なのは承認力です。相手に対して、その意見を否定せずに受け止め、共感していくスキルです。
次に、傾聴のスキルです。相手の話をしっかりと聞くだけではなく、聞きやすい雰囲気を作り相手の話を引き出すなどの、言葉を引き出すスキルになります。
最後に反応のスキルです。相手の話をしっかりと聞き取り、自分の価値観や思いを押し付けることなく、要点を捉えて客観的な意見や感じたことを伝えます。
ビジネススキルの身につけ方
ではこういったスキルをどのようにして身につけていくのか、それについて迫っていきます。
本を読む
これは一番のスタートです。スキルの習得方法やスキルの良し悪し、もしくは業界、個人に対する習得の近道はそれぞれ異なりますし、その方法論に関してもプロによって意見は変わります。
ですので、まずはたくさん本を読みましょう。大切なことは様々なビジネスマナーの本を読むことによって、一つの考え方に固執するのではなく、できるだけたくさんの意見を読むことです。圧倒的に正しい答えはないことを理解しておきましょう。
とにかく情報が命
本をたくさん読んだら、今度は様々な情報デバイスで情報を仕入れましょう。実際、本の知識というのはその道のプロであったり、もしくは成功者であったり、さらには「話の上手い人」の発信する情報です。
それは一見非常にわかりやすく、自分にも適していて、そして実行しやすく身につけやすく感じます。しかし、それはあくまで、高いスキルをもっていたり、その道で成功した人の意見であり、普通の人間が当たり前に実行できるものではない場合もあります。
ですので、ネットや個人的な人間関係などの情報を入手できる場所を選ばずに収集に努めましょう。これは、ビジネススキルの中にある情報収集の訓練にもなります。
実地でやってみる
社会人になる前であれば、友人や家族相手でもいいでしょう。もしくはバイトやサークル、もしくは教授や先生に対してでも構いませんので、ビジネススキルの身につけ方に関する情報をしっかりと実践してみましょう。
新入社員であれば、職場において物怖じせずに実行するのも大切です。もちろん、新入社員研修や教育によって基本的なことは訓練されますが、その訓練でさえもしっかりと実践しなければ身につくことはありません。
大切なことは、やってみる事だと覚えておきましょう。
反省と次へのブラッシュアップ
ノウハウを見て実際に行動します。個々には必ず失敗は伴いますし、この失敗に関して落ち込むのではなく、なぜ失敗したのか、次失敗しないためにはどうしたらいいのかを考えるのは大切なことです。
さらに成功したと思っていても、さらなる成功をどうしたらいいのかを考えます。ビジネスのスキルに関して言えば「これでOK」という到達点はないと思うべきですし、実際これでOKな到達点というものはありません。
より高い目標を求めてよりブラッシュアップをしていくことで、ノウハウは自分の物へと変わっていきます。
自分のノウハウを作り上げていく
ビジネススキルは、基本を超えたところから自分の特徴に合わせたものでないといけません。上手な先輩のマネをしたところで、その人の持っている元々のスキルやスタイル、特徴などが違う以上どこかで必ず齟齬が生まれてきます。
ですので、何度も繰り返す中で、自分のノウハウを作り上げていくことが大切です。
PDCAサイクルを身に着けていく
じつはこのサイクルが、ビジネススキルの基本であるPDCAサイクルです。PDCAサイクルは、それがどんなものであろうと活用できるものですし、これが当たり前に見につき、習慣化されていくことでより高いスキルを習得できます。
意識しなくてもこのサイクルが身につけば、スキルの向上には大きな力になります。
ビジネススキルはオートクチュール
ビジネススキルは、最初の基本はみな共通のものです。しかし、ある程度進展していけば、自分に合わせた進展と発展がないと本当の意味でのスキルとは言えません。ですので、最初から自分のスキルを目的化してスキルの習得を始めていくといいでしょう。
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