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クレーム対処でよくある、お客様と対応者の心の動き

クレーム対処でよくある、お客様と対応者の心の動き

電話応対スーパーバイザー:雪野朱音

おそらくクレームが一度も入ったことのない企業というのは、存在しないかと思います。どれだけ頑張って素晴らしい商品やサービスを提供していても、クレームが入るときには入るものです。

ただ、クレームというのは一概に悪いものとは言えません。クレームから既存の商品やサービスの改善、まったく新しい商品やサービスの誕生につながることもあるのです。

しかしながら、そのクレームをうまく対処できているところというのは限られています。ここでは、クレーム対処でよくあるお客様と対応者の心の動きについて見ていきたいと思います。

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お客様の心の動きその1:問題の解決や謝罪を求めている

まずは、お客様の心の動きから見ていきましょう。

お客様からクレームが入った場合、お客様が問題の解決や謝罪を求めているという可能性が考えられます。

お客様が問題の解決や謝罪を求めているときというのは、たいていの場合、こちら側にその原因があります。「食べ物に虫が混入していた」「約束の日時に間に合わなかった」「不良品だった」などさまざまなケースが挙げられます。

お客様は問題があったからこその問題の解決や問題があったことに対する謝罪を求めているわけです。

お客様はその問題によって不愉快な思いをしていますし、それだけではなく困った事態に陥っている可能性があります。当然、それをわかってほしいという気持ちも強くなっているはずです。

そのため、対応者はお客様の気持ちを理解し、寄り添うといったことを意識しておかなければいけません。それなのにもかかわらず、「自分には関係ないし」というスタンスで他人事のような物言いをしてしまう方が増えています。これでは火に油を注いでしまうだけです。

お客様の気持ちを理解し、寄り添うことができないと、その対応の悪さに対してのクレームも発生してくることになります。

早い段階で心からの謝罪をしておけばそれで収まっていたものの、対応を間違ってしまったばかりに謝罪だけで済まないような状況に発展してしまうこともあるのです。

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お客様の心の動きその2:不平等を訴えている

お客様の中には、不平等を訴えるためにクレームを入れているという方もいます。商品やサービスを提供する側にしてみるとバラつきが出るのは仕方がないことなので、そのバラつきも許容範囲内としてしまいがちなのですが、お客様にとってはそういったものが不平等感につながってきます。

「同じメニューを頼んでいるのに中身がなんとなく違う」「予約していたのに、飛び込みのお客さんが優先されて待たされている感じがする」など、どこでお客様が不平等感を抱くかは人それぞれです。そのことに気づかないスタンスで対応とすると火に油を注ぐことになります。

商品やサービスを提供する側にとっては、沢山いらっしゃるお客様のひとりかもしれません。ただ、お客様にとってはその一度がそれこそ人生でたった一度のタイミングだった可能性もあるわけです。

そう考えれば、お客様の訴える不平等感にも納得できますし、共感できるようになるのではないでしょうか?

不平等を訴えるお客様からのクレームというとキリがないと考えがちなのですが、実はこういったクレームが商品やサービスの改善につながることもあります。

対応者の中には「そうおっしゃられるのはお客様だけなのですが......」と暗にお客様がイレギュラーであるかのような対応をするタイプもいるのですが、ひとりのお客様がそう感じているのであれば他のお客様もそう感じている可能性があると考えるのが普通です。

お客様の訴えをよく聞いて、お客様の抱いている不平等感に共感を示し、その不平等感を改善していく旨を伝えるようにしましょう。実際に口だけではなく、改善の余地があるのであれば改善しなければいけません。

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お客様の心の動きその3:改善を求めている

お客様の中には、ストレートに「これは改善すべきでは?」と指摘してくださる方もいます。

そのお客様ひとりの都合に合うような改善というのは厳しいかもしれませんが、もしそのお客様の訴える改善策がより多くのお客様にとってプラスになることであれば十分に聞き入れる価値があるはずです。

対応者の中には、馬鹿にしたようにお客様の言う改善策を「はいはい」と聞き流してしまうようなタイプもいます。

もちろん、練りに練った上での商品やサービスであれば「これ以上はない」と思いたくなることもあるでしょう。ただ、世の中に完璧な商品やサービスは存在しません。つまり、どのような商品やサービスにも改善の余地はあるはずなのです。

ほとんどの場合、「この商品はないな」「このサービスはないな」と思ったらお客様は何も言わずに離れていきます。本当は直接改善点を訴えてくれるお客様というのは、とてもありがたい存在なのです。

それに、改善を訴えるお客様というのはその商品やサービスに興味を持っていたり、2度目の購入や利用を考えていたりする方が多いのも事実です。

「好きだから改善してほしい」「気に入っているから改善してほしい」......こういった気持ちは、消費者の立場になれば理解できるはずです。対応者も普段は消費者のひとりなのです。

「クレームは宝」と言われていますが、こういったクレームから商品やサービスがより良いものになっていくのであればまさにお客様からのクレームは宝です。

感謝の気持ちを伝えた上で、ご指摘いただいた点を改善していく旨も忘れずに伝えましょう。ちなみに、うわべだけの言葉というのはお客様にも伝わります。気持ちのこもっていない言葉はお客様にとって嫌味でしかないので、十分注意しましょう。

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お客様の心の動きその4:たまたま虫の居所が悪かった

お客様の中には本当にたまたま虫の居所が悪く、それがクレームにつながってしまったという方もいらっしゃいます。

虫の居所が悪くてクレームというと対応者にとってはたまったものではないと思われがちなのですが、イライラして普段は気にならないことが気になってしまうというのはよくあることです。

感情的になってマシンガンのようにお話されるお客様もいらっしゃるのですが、そういったお客様であっても心のどこかで「これは八つ当たりに近い」ということはなんとなく自覚しているものです。

お客様のほうで自覚されているケースが多いからこそ、実はこういったタイプのクレームはしっかりと話を聞くだけで丸く収まるという可能性も高いのです。

お客様は話すことによって発散させている部分もありますので、対応者はとにかく聞き役に徹してお客様の話をよく聞くようにします。

お客様が何に不快感を抱いたのかを言葉にしてもらうのです。そうすることで、お客様もご自身で気持ちの整理がつけられるようになります。

ただ、聞き役に徹するといってもお客様の気持ちを和らげるような言葉を投げかけていく必要があります。

せっかくご購入いただいたのに、ご利用いただいたのにご満足いただけなかったことへの謝罪はもちろん、お客様への共感も欠かせません。

こういったクレームの場合、最終的にお客様のほうから謝罪が入るようなこともあります。

人間というのは完璧な生き物ではありません。イライラしたときに人に当たってしまうこともありますし、「自分にもそういうときはあるな」と思いながら対処することによってお客様の気持ちも変わってきます。

対応者の心の動きその1:めんどくさいと感じてしまう

次は、クレーム対処でよくある対応者の心の動きについてです。

クレームの対応者の中には、クレームに対して最初から「めんどくさい」という気持ちで対応しているタイプも少なくありません。

実際に「クレーム=面倒なもの」というイメージはありますが、先でもお話しましたようにクレームは宝でもあるのです。

めんどくさいと感じながらのクレーム対応というのは、ほぼ確実にお客様へ伝わってしまうものと考えていいでしょう。

もし商品やサービスに問題があったのにも関わらず、めんどくさそうな対応をされたらどうでしょうか?怒りが頂点に達してもおかしくありません。

最初は商品やサービスのクレームであっても次第に対応そのものへのクレームに変わっていく、というのは案外ありがちなパターンです。

仮に立て続けに10件のクレームがあったとしても、その内容はそれぞれ違うはずです。悪意のあるものでない限りは、ひとつひとつに真摯に耳を傾けるべきでしょう。

それにめんどくさいという気持ちでクレーム対応をしていると、お客様に対して攻撃的になってしまったり感情的になってしまったりするものです。これは絶対にあってはいけないことです。

対応者の心の動きその2:相手が悪いと決めつけてしまう

クレームの中には、特定のお客様だけが訴える問題や不具合などもあるかと思います。

最近ではそういったケースに対して、相手が悪いというスタンスで対応するタイプが増えています。お客様にとってこれほど不愉快なことはありません。

「そう言ってくるのはお客さんだけなんですよね~」と言われて納得するお客様がいるわけありません。相手が悪いと決めつけて対応すれば、どうしたって攻撃的な対応になります。そのような対応をしておいて実はこっちに非があったという場合、失った信頼や信用は取り戻せません。

対応者の心の動きその3:恐怖感を抱いてしまう

クレームの対応者の中には、お客様に対して恐怖感を抱いてしまうようなタイプもいます。

確かにクレーム対応で精神を病んでしまうというケースは少なくないのですが、真っ当な主張をしているお客様に対しても恐怖感を抱いていたのではお客様に失礼です。

対応者の抱いている恐怖感がお客様に伝わると、お客様は「被害者なのに加害者に仕立て上げられている」と余計に不愉快な気持ちになってしまいます。

脅しなどそれこそ度を超えているものに関して恐怖を抱くのは当然ですが、商品やサービスに対するクレームに対して極度な恐怖感を抱くのは好ましくありません。

【電話応対編】クレーム対処でよくある、お客様と対応者の心の動き

クレーム対処でよくある、お客様と対応者の心の動き

クレーム対処でよくあるお客様と対応者の心の動きということでお話してきましたが、最後に電話応対でのクレーム対処について触れておきたいと思います。

対面してのクレーム対処であれば表情や身振り手振りなどで伝わるものもあるのですが、電話応対の場合には声のみで勝負することになります。

声のみで勝負することになる電話応対だからこそ、クレーム対処ではとにかく声の出し方やトーン、言葉の選び方などに気を付けます。

電話越しでもお客様に伝わるように、声に感情を込めなければいけません。声で表情や身振り手振りの分を補うという感覚です。

また、電話応対でのクレーム対処においては傾聴も大切です。

お客様の話を正確に把握しなければいけないからです。お客様の話を正確に把握してこそ、最適なクレーム対処ができるようになります。

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