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マーケティングを心理学で深掘りすると見えてくるもの

マーケティングを心理学で深掘りすると見えてくるもの

電話応対スーパーバイザー:雪野朱音

「マーケティング」という表現は、さまざまなところで見聞きするものです。ただ、よく見聞きするものの、改めて「マーケティングとは何か?」と問われると答えられないという方もいるかもしれません。

ここでは、マーケティングとは何なのかというところからマーケティングを心理学で深堀りしたときに見えてくるものについてご紹介していきたいと思います。

そもそもマーケティングとは?

まずは、そもそもマーケティングとは何なのかというところからお話していきたいと思います。

マーケティングというとリサーチであったり宣伝広告であったりといったものをイメージするかもしれませんが、簡単に言ってしまうとマーケティングというのは売れる仕組みを作ることを指します。

もちろん、売れる仕組みを作るためにはリサーチも必要ですし、宣伝広告も必要になります。

リサーチや宣伝広告というのは、マーケティングにおけるひとつのプロセスと言えるでしょう。思っているよりも、マーケティングというのは広い意味を持っているわけです。

さらに、このマーケティングのために戦略を立てることもあります。これが一般的にもよく知られているマーケティング戦略というものになります。

売れる仕組みを作っていくために、どのような方針を取っていくのかという部分がマーケティング戦略になってきます。

そして、マーケティングに深く関わってくるのが心理学の中でも行動心理学と呼ばれるものになります。

行動心理学というのは、人の行動を統計的に整理してその行動の背景にある心理を読み取る心理学です。

実は行動心理学の視点からマーケティングを見ていくと、無意識のうちに操られているといっても過言ではないことがわかります。

先に与えられた情報で判断や行動が左右されるプライミング効果

プライミング効果というのは、簡単に言ってしまうと先に与えられた情報にその後の判断や行動が影響を受けてしまう現象のことを指します。

いまいちピンと来ないかもしれませんが、実は身近なゲームなどでもプライミング効果を体感している可能性があります。

例えば、「ピザって10回言ってみて」とピザを10回言わせた後にひじを指さして「ここは?」と尋ねるとピザに引っ張られて「ひざ」と答えてしまうというゲームがあります。

これもまさにプライミング効果なのです。ひじであることはわかっているはずなのに、先に聞いた「ピザ」に引っ張られて「ひざ」と答えてしまうわけです。

このゲームに限らず、感じたにおいや視界に入ったもの、見聞きする言葉などの情報の影響を受けることで、その後の判断や行動というのは変わってきます。

これは日常的に起こっていることでもあり、マーケティングでも活かされているものでもあります。極端な言い方をすると、無意識のうちに先行した情報によって自分の判断や行動が操られているのです。

興味深いのが、影響を受けて普段とは違う判断や行動をしているのにも関わらず、本人たちはその自覚がないのです。

「なぜその判断や行動に至ったのか」と問われても、自分でもわからずに「なんとなく」としか答えられないわけです。自分の判断や行動であるのにも関わらず、自分でもわからないのです。

マーケティングのプロセスとして宣伝広告があるという話をしましたが、基本的にどのような宣伝広告であってもこのプライミング効果というのは意識されていますし、盛り込まれています。

それを知った上で、宣伝広告を見てみると今までとは違った見え方になってくるかもしれません。

無意識のうちに選ばせるおとり効果

今はさまざまな商品やサービスがありますが、どのような分野においても選択肢が多いと感じませんか?

もちろん、そういった選択肢の中には消費者のニーズに応えて展開されているものもあるのですが、実は消費者に選ばせるための選択肢が存在します。

例えば、AとBで迷っていたとします。AとBだけの選択肢だけだと決めかねるという状態でも、そこにCという選択肢が出てくると変化が起こります。

CがAよりもすべての面で劣っていて、Bと比べたときにはどっこいどっこいという場合には、多くの方がAを選ぶようになります。

逆にCがBよりもすべての面で劣っていて、Aと比べたときにはどっこいどっこいという場合には、多くの方がBを選ぶようになります。

これがおとり効果と呼ばれるものになります。

このおとり効果というのは、自社内でも活用されているものですし、他社との競争でも使われるものです。消費者のニーズに応えて用意されている選択肢に見せかけて、実は消費者の選択を操作しようとおとりのために投入されている選択肢が存在するのです。

今までの自分の消費行動というものを振り返ってみると、もしかしたらおとり効果で企業の思うつぼになっていることがあるかもしれません。

自分で選んでいるつもりでも、実は選ばされていたのです。このように考えていくと、自分の選択に自信が持てなくなってしまうかもしれません。

ただ、それほどまでにマーケティングというのは考えられているのです。

携帯電話のプラン、飲食店のセット、オンラインゲームの課金......改めて考えてみると、身の回りは選択肢だらけです。

「普通に考えてこれは選ばないでしょ」と思うような選択肢があれば、それはおとり効果を狙ったおとりの選択肢かもしれません。

人生は選択の連続です。選択肢が目の前に出てきたとき、改めてその選択肢を分析してみるとそこからマーケティング戦略が見えてくる可能性もあります。

わかっていてもついつい手を伸ばしてしまう希少性の原理

希少性の原理というのは、一般的にもよく知られています。仮に「希少性の原理」という言葉を知らなくとも、その概念は多くの方が嫌というほどに理解しているはずです。

希少性の原理というのは需要に比べて供給が少ないときに、その商品やサービスの価値が高くなる、高く感じられるという現象のことを指します。

「残り1点!」といった文言が目に入ってくると、そこまで興味のないものでもやはり「おや?」と思ってしまうのではないでしょうか?

実際に、何でもない日用品ですらも需要に比べて供給が少なくなると価格が高騰します。

価格が高騰するだけではなく、そこまでの価値がないものとわかっているはずなのにすさまじく価値のあるものであるかのように思えてしまうのです。

例えば、アニメ関連のグッズがプレミア化することはよくあります。

そもそもグッズには非売品でなければ定価というものがあって、今の時代であればある程度の原価まで調べることができます。

数百円や数千円というグッズでも、プレミア化すると数万円や数十万円、場合によってはそれ以上の高騰を見せることもあるのです。

さらに面白いのが、希少性の原理は「もともと数が少ない」というアプローチではそこまでの効果が出ないというところです。

逆に、「もともとたくさんあったんだけど、人気があって少なくなった」というアプローチであれば、より高い効果が期待できます。

この希少性の原理に関しては、消費者という立場で見たときには気を付けることはできるかと思います。実際に「〇〇名様限定!」と言いつつも、毎回そう言っているようなケースも少なくありません。

ただ、初めて見聞きする商品やサービスでもともと興味もあるものだとついつい手を伸ばしてしまうという可能性は高いでしょう。

何かしてあげたくなる返報性の原理

マーケティングにおいては、返報性の原理というものも活用されています。普段意識していないかもしれませんが、実はさまざまなところで返報性の原理が働いているのです。

返報性の原理というのは簡単に言ってしまうと、人に何かしてもらったら自然とお返しをしたくなるというものです。

例えば、1回ちょっとお買い物をしただけのお店なのに、定期的に丁寧なコメントつきの絵葉書を送ってくれるという場合、「ここまでしてくれるならまた行ってあげようかな」と思ってしまう方は多いでしょう。

仮に「~してあげる」という上から目線であっても、相手に何かを返そうとしてしまうわけです。お店に行けばまた何かを購入するでしょうから、お店にしてみれば作戦は大成功となります。

この返報性の原理は本当にいろいろなところで活用されています。

「無料サンプルを配布するのでメルマガ登録をお願いします」「値引きをするのでレビューを書いてください」......挙げていけばこれもキリがありません。それくらい当たり前に活用されているものなのです。

一度手に入れると失いたくない損失回避の法則

損失回避の法則というのは、一度手にしたものを失いたくないというものです。実際に一度手にしたものを手放すことになったとき、惜しい気持ちが大きくなるという方は多いでしょう。

実はこの損失回避の法則というのは、今の時代だからこそよりいっそうの効果を高めているとも言えます。

というのも、現代人というのは何事においても損得勘定で考えるようになっています。何かしらの事件が起こったときに、コメンテーターがメリットやデメリットなどで語ることも珍しくありません。

損得勘定が悪いというわけではないのですが、現代人はややそれが過度になっているような傾向があります。

損得勘定で考えるということは、自分にとって損なのか得なのかに敏感になっているということでもあります。

そこで役立ってくれるのがこの損失回避の法則です。消費者に対して一度得になるようなものを与えて、そのまま商品の購入やサービスの利用継続に持っていくのです。

例えば、最近では動画配信サービスといったものが一般的になりました。動画配信サービスにもいろいろなものがありますが、最初の一定期間だけは無料といった形でサービスを提供しているところも少なくありません。

一定期間だけではあるものの無料で得をしているからこそ、失いたくないという気持ちが出てきてそのまま有料で利用をするようになるというわけです。

動画配信サービスに限らず、無料で使ってもらうという形で商品の購入やサービス利用の継続を促すものは少なくありません。

今伸びている商品やサービスというのは、こういった現代人の傾向をうまくとらえているからとも言えるのかもしれません。

【電話応対編】マーケティングを心理学で深掘りすると見えてくるもの

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マーケティングを心理学で深堀りすると見えてくるものということでお話してきましたが、最後に電話応対におけるマーケティングについて触れておきたいと思います。

ただ、心理学で深堀りしても電話応対におけるマーケティングの根本はとてもシンプルです。

というのも、電話応対ひとつで商品やサービスだけではなく、企業の印象までもが左右されることになるのです。

たったひとりのスタッフが感情的になって口喧嘩のような状態にでもなってしまえば、どれだけの優良企業でも顧客を失いますし、今はSNSなどでの拡散もありますのでその影響は計り知れません。

結局のところ、電話応対においては真摯に丁寧に誠実に対応することがマーケティングになってくるのです。

逆に言えば、それを理解していないスタッフには電話応対は任せられません。どのような業界であっても、電話応対を軽んじることは絶対に許されないのです。

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