人生というのはままならないもので、挫折を経験することもあるでしょう。
それも一度や二度で済むことはありません。挫折なしの人生はあり得ないといっても過言ではないでしょう。
過去の挫折が笑い話になっているという方もいるでしょうが、当時はとてもつらい経験をしたはずです。では、挫折をしたそのときにはどのような形で乗り越えればいいのでしょうか?
ここでは、挫折したときに乗り越えて成長し成功するための心理学ということで、挫折したときの乗り越え方を心理学的なアプローチで考えていきたいと思います。
内観をする
挫折を経験したときの乗り越え方として、まず挙げるのが内観です。
実は「内観療法」という心理療法があって、それほどまでに内観というのは重要視されているのです。
ただ、内観療法にはきちんとしたやり方があって、朝から晩まで1週間ほどは内観療法のために確保しなければいけません。言うまでもなく、時間に追われるような毎日を送っている現代人にはハードルが高いです。
もちろん、内観療法のために時間を確保できるのであれば内観療法を受けてみるのもひとつです。
ですが、それが難しい場合には内観療法のエッセンスだけを抽出して、日々の生活の中で内観をおこなっていきましょう。内観というのは簡単に言ってしまうと、とことん自分と向き合うことです。
挫折して落ち込んでいるのであれば、なぜ自分が落ち込んでいるのか自分の気持ちと向き合って、深く考えていきます。
そういった中で「甘えがあったのではないか」「この結果は当然のもので、落ち込む必要はないのではないか」といった気づきを得られるようになります。
もともと心理カウンセリングや心理療法においては、「気づき」というものが重要になってきます。
人から直接的にアドバイスをもらうことももちろん大切ではあるのですが、自分で気づくことによって根本的なところから変えていくことができるのです。内観はその「気づき」のための時間です。
もしもっと深いところまで自分を見つめ直したいのであれば、今の気持ちだけではなく今までの人生を振り返って自分の身近な相手に対して「してもらったこと」「してあげたこと」「迷惑をかけたこと」といったものを回想していきましょう。これは実際に内観療法でもやることです。
挫折をしたときだけではなく、日頃から感情に振り回されやすいタイプの方は内観を日常的におこなっていくことをおすすめします。
どちらにしても、情報にまみれている今の時代の中で人間らしく生きていくためには自分ひとりと向き合う静かな時間が必要になります。
誰かに話を聞いてもらう
挫折したときには、自分の中にいろいろな感情が渦巻くかと思います。誰にぶつければいいのかわからない怒りもあれば、思うような結果をつかめなかった悲しみもあるでしょう。
言葉では言い表すことのできない気持ちもあるかと思います。そういったものを自分ひとりでうまく処理できる方はそう多くありません。ただ、だからといってそれをため込んでいてもよくありません。
最近ではデトックスという表現がよく使われるようになっていますが、心のデトックスをするためにも誰かに話をきいてもらうといいでしょう。誰かに話すことによって、自分の思考も整理できるようになります。
ただし、誰かに話を聞いてもらうのであれば、その相手をよく吟味しなければいけません。というのも、自分の中の毒素を吐き出して、それを相手に受け止めてもらうのですから相手は相手でかなりの負担を強いられることになるのです。やはりその道のプロにお願いすることが望ましいでしょう。
あまりにも重い内容を家族や友人知人に聞いてもらうとなると、それがきっかけで関係にヒビが入ってしまうようなこともあるのです。そういった意味でも話の内容が漏れることのない第三者のほうが安心です。
心理カウンセラーにお願いするのもありですし、いわゆる愚痴聞きサービスを利用するのもいいでしょう。話を聞くプロなので、何もかもぶちまけてしまってOKです。
もし心理カウンセラーや愚痴聞きサービスの利用は避けたいという場合には、誰かに話しかけるかのようにぶちまけたい内容を文字に起こしてみましょう。ちょうどブログを書くような感覚です。
誰に見せるわけでもないので、言葉遣いなどは気にせずに好きに書いてみましょう。こうすることでもスッキリしますし、思考の整理にもつながります。
ちなみに、文字に起こす場合には「マインドマップ」を試してみるといいかと思います。
マインドマップというのは言ってしまえば、思考の見える化です。マインドマップが難しい場合には出来事を順番に整理しながら書き出していくだけでも違ってくるでしょう。
※マインドマップ参考資料
XMind(https://jp.xmind.net/)
FreeMind(https://ja.osdn.net/projects/freemind/)
挫折を客観的に分析してみる
挫折したときというのは、挫折した経験については思い出したくもないという気持ちになってしまうかと思います。
その気持ちはよくわかるのですが、挫折というのは先々ちょっとした笑い話にできるようなものがほとんどです。それならば、いっそのこと今その挫折と向き合ってみるというのもひとつのアプローチです。
挫折と向き合うというと、気持ちが沈んでいる中ではかなりハードルが高く感じられるかと思います。ただ、そういうときでも自分と似た経験をしている他の人の話であればすんなりと聞き入れることができるでしょう。要は、「自分の挫折」と捉えるからこそ余計につらくなってしまうのです。
もちろん、自分自身の挫折であることには間違いないのですが、自分の挫折を客観的に見てみましょう。自分の挫折をまるで別の人が経験したことであるかのように見ていくのです。
第三者的な視点と言ってもいいかもしれません。自分ではなく、どこかの誰かのつらい経験だと思えば、ハードルはぐっと下がってきます。
人間というのは不思議なもので、自分自身が悩みを抱えるときには答えが出せないのに、自分以外の誰かが同じ悩みを抱えているとすんなりと答えを出せるものなのです。
大切なのは客観的な視点です。そうすることで、自分の挫折を俯瞰して見られるようになります。
ただ「つらい」「苦しい」と思っていた挫折の経験も、客観的な視点で分析してみると「いやいや、ここでこうすればよかったじゃん」「そういう選択をしたらそりゃあそうなるよね」と見えてくるものがあります。これが大きな成長で財産になるのです。
挫折というのはできれば経験したくないという方がほとんどかと思いますが、挫折ほど人生において糧となるものはないのです。
挫折をただの辛く苦しい経験で済ませてしまうのではなく、せっかくつらく苦しい経験をしているのであればその中から搾り取れるものは搾り取っておくくらいに考えたほうがいいのです。実際に挫折を客観的に分析して得た学びは、その後の人生において確実にプラスとなり成功の足がかりになります。
没頭できることを見つけて充電する
内観したり話を聞いてもらったり挫折を客観的に分析したりといろいろなアプローチがあるのですが、それでも何もする気が起きないということはあるでしょう。
それまでにすさまじい努力をしてきて、それこそ人生や命をかけてきたのに結果がでなかったとなってくると燃え尽きてしまっても仕方ありません。そういった場合には、無理をする必要はありません。
挫折したときというのは、精神的なエネルギーが切れているような状態です。実際に挫折してつらくて苦しいのにエネルギーに満ち満ちているという方はそうそういません。
だからこそ、何もする気が起きないのであれば何か没頭できることを見つけて自分のエネルギーを充電しましょう。
料理するのが好きならひたすら料理を作ったり、映画をひたすら見続けたり......没頭できるものであれば、何でもOKです。
仮にそれが明らかな現実逃避であってもいいのです。もちろん、時間はかかるでしょうが、好きなことに没頭している間に少しずつ充電されていきます。
挫折したということは、挫折するだけの努力をしてきたということです。それだけ頑張ってきたのですから、自分を労わるようにしましょう。
歩き続けていれば疲れて立ち止まることもありますが、少し休憩したらまた歩き出せるのです。今は休憩する時間だと割り切りましょう。
もし特にこれといった没頭できるものがないという場合には、何か疑似体験できるようなものを選ぶといいでしょう。
疑似体験といってもテーマパークのようなものではなく、映画やドラマ、小説などがおすすめです。こういったものを通して、フィクションでもノンフィクションでも他の人の人生を疑似体験することができますし、そこから学べる部分もあるのです。
【電話応対編】挫折したときに乗り越えるための心理学
挫折したときに乗り越えるための心理学ということで、挫折を乗り越えるための心理学的なアプローチをいくつかご紹介しました。
最後に電話応対における挫折を乗り越えるための心理学的なアプローチについても触れておきたいと思います。
というのも、電話応対というのは特に挫折をしやすい業務でもあるのです。
実際にインターネットで調べてみると、電話応対で挫折して転職したという方も少なくありませんし、コールセンターも離職率が高い職業です。だからこそ、特に電話応対においては挫折したときに乗り越える方法というものを知っておいたほうがいい部分もあるのです。
電話応対に関しては、苦手意識を持ちながらも心のどこかで「うまくできるかも」という期待を抱いてしまう方が多い傾向にあります。
特に、普段から人と会話をするのが好きで、話すことを苦手としていない方に多く見られます。ただ、ご存知のように電話応対というのは普段の人との会話とはまったくの別物になります。
このギャップで挫折してしまうのです。最初から普段の会話とはまったくの別物であると認識しておけば、ギャップで挫折してしまうこともなくなります。
また、電話応対というのは身につけておけば一生モノのビジネス・スキルです。
基本的にどのような仕事においても電話でのやり取りというのは発生してきますし、電話応対でのスキルを普段の会話で活かすということもできます。
つまり、身につけるまでは大変なものの、身につけてしまえばこれ以上心強いものはないのです。「それだけのスキルを自分は身につけようとしている」と思えば、「失敗して落ち込むのも当然かな」と思えるようになるのです。
このように電話応対に関しては、電話応対への認識というものを変えていくと挫折しにくくもなりますし、挫折した後でも仕事を続けられるようになるかと思います。
間違った認識や偏った前提で物事を考えていると、挫折しやすくなりますし、その分、自分がつらい思いをすることになります。自分の認識というものを改めて見直してみてください。
もちろん、先でご紹介した内観したり話を聞いてもらったり挫折を客観的に分析したり何かに没頭して充電したりといったことも効果的です。
質のいい電話応対というのは私たち電話代行サービスの電話秘書のように確実に需要がありますし、その需要も高まっていくはずです。心身を壊してしまうほどの無理をする必要はないですが、挫折を乗り越えて最強の武器を手にしてほしいものです。