今の世の中で、信頼関係を築くのはとても難しくなっています。
しかしながら、努力次第で信頼関係はいくらでも築けるものでもあります。人と人が関わり合って成り立っている社会の中では、信頼関係というのはとても重要なものとなってきます。
ここでは、人の心理に基づく信頼関係を築くためのメソッドを5つご紹介していきたいと思います。
そもそも信頼関係とは?
具体的な信頼関係を築くためのメソッドについて触れていく前に、まずはそもそも信頼関係とはどのようなものなのかについて理解を深めておきましょう。
実際に「信頼関係とは?」と問われたときに、明確な回答ができる方はそうそういないのではないでしょうか?
信頼関係というのは、文字通り、信じて頼ることのできる関係です。
もっと掘り下げていくと信頼関係というのは、相手が正しいと思い込み、頼ることのできる関係とも言えます。つまり、信頼関係にはある種の思い込みの要素も入ってくるわけです。
もちろん、何が正しいのか、何が間違っているのかというのは人それぞれです。
しかしながら、「この人は正しい」「この人なら頼ることができる」と思わせるのはそう難しいことではありません。そう思わせるメソッドが今回ご紹介する5つのメソッドなのです。
1、相手に関心を持つ
では、さっそく具体的なメソッドについて触れていきますが、1つ目のメソッドとして挙げられるのが相手に関心を持つことです。
もちろん、相手が必ずしも関心を持てるような人物であるとは限りませんし、逆に関心を持ちたくないような人物である場合もあるでしょう。
しかしながら、それでも相手に関心を持つことが信頼関係を築くためのポイントになってくるのです。
例えば、自分が一生懸命に話をしているのに相手が上の空だったらどうでしょうか?
不愉快ですし、ガッカリするでしょう。
逆に、自分が一生懸命に話をしているときに相手も一生懸命に話を聞いてくれれば、相手に対して「いい人だ」といった漠然とした好意を抱くようになります。その好意が信頼関係へとつながってくるのです。
相手のことをよく観察して興味が持てるようなところを探してみましょう。
それでも興味を持てるようなところがないという場合には、興味を持っているという姿勢だけでも見せるようにしておきましょう。それだけでも相手が抱く印象は変わってくるのです。
2、自己開示をする
信頼関係を築いていくためには、自己開示も大切です。
例えば、信頼関係が必要になってくる心理カウンセリングにおいても、この自己開示が大きな影響を及ぼすと言われています。
自己開示をすることで信頼関係が築けるようになり、そこからよりよいカウンセリングができるという話もあるのです。
自己開示というと何か難しい特別なことのように思えるかもしれませんが、とてもシンプルなことで、簡単に言ってしまうと自分がどういう人間かを相手に伝えてしまうことです。
自分がオープンでいることによって、相手もオープンになってくれるのです。
自己開示では自分がどういう人間かをさらけ出すことになるわけですが、それは同時に自分の弱みを見せることでもあります。
基本的に人というのは、本当に信頼している相手にしか自分の弱みを見せないものです。自己開示で自分の弱みを見せることで、「あなたを信頼しているんですよ」というアピールにもなるわけです。
さらに言うと、自己開示によって相手の警戒心を解くことができます。
人間に限らず、生き物というのはよくわからないものに警戒するものです。
時には威嚇をすることもあるでしょう。自己開示で自分がどういう人間なのかを相手に伝えることによって、相手も警戒することなく、すんなりと受け入れてくれるようになるのです。
3、相手のことを肯定する
最近では相手のことを肯定することの重要性といったものがいろいろなところで取り上げられています。
肯定してくれる可愛らしいキャラクターも人気ですし、人材育成や子育てにおいても肯定することの重要性が説かれています。
このように相手のことを肯定することも信頼関係を築いていく上で、大切になってきます。
では、なぜ相手を肯定することが信頼関係を築く上で大切になってくるのでしょうか?
それは自分が誰かから肯定されたときの気持ちを思い浮かべて見るとわかりやすいでしょう。
自分が話している内容や自分の意見を誰かから肯定してもらえると、それだけで気分がよくなるかと思います。それと同時に「この人はわかってくれる」と相手の評価も上がってくるのです。
もちろん、趣味が違っていたり意見が異なっていたりしても信頼関係は成り立つものです。
しかしながら、特に今の時代は「自分と同じかどうか」という部分を重視するようになっています。
SNSなどでのやり取りを見ていると、ちょっとした意見の違いで激しい攻撃を加えられるようなことも珍しくありません。
今は自分が正しいと思い込んでいる人が多いからこそ、その自分に賛同してくれるような相手のみを受け入れようという傾向が見られるのです。
この傾向はあまり好ましくないですし、極端ではありますが、仲間意識の一種とも言えるでしょう。
もちろん、内容によっては簡単に肯定してはいけないものもあるでしょうが、基本的には信頼関係を築いていくために相手のことを肯定するようにしていきましょう。
最初のうちは相手の言いなりのように思えるかもしれませんが、信頼関係が築けるようになれば仮に違った意見であっても受け入れてもらえるはずです。
4、相手の真似をする
これは恋愛テクニックでもよく使われるメソッドでもあるのですが、信頼関係を築くためには相手の真似をすることも効果的です。
「相手の真似をしていると怒られるのでは?」という方もいるでしょうが、そこまで露骨に真似をするわけではありません。露骨に真似をすれば、逆に嫌われてしまうでしょう。
心理学ではミラーリングと言うのですが、相手の言動や仕草などをまるで鏡のように真似ることで相手から親近感や好感を抱いてもらえるというテクニックです。
人間は自分と似た人に好感を抱きやすいので、相手の真似をすることで「私はあなたに似てるんですよ」というアピールができるのです。
お互いのコミュニケーションがうまくいっていればいっているほど、ミラーリングが活発になるとも言われています。
もし相手と対面している場合、簡単なのは動作や姿勢、表情を真似することです。
相手がお茶を飲んだら自分もお茶を飲む、相手が前かがみの姿勢になっているのであれば自分も前かがみの姿勢になる、相手が楽しそうな表情をしているのであれば自分も楽しそうな表情をする......
どれも簡単なことです。無意識のうちに実践しているという方も多いでしょう。
ただし、ミラーリングはバレてしまうと一気に好感度が下がってしまいます。
相手のすべてを真似る必要はありません。相手にバレないように自然な形でミラーリングをおこなっていきましょう。
5、相手のことを信じる
そして、信頼関係を築くためには相手のことを信じることです。
信頼関係というのは、やはりお互いがお互いを信じるという形にならないと成り立ちません。
よくわからない相手のことを信じるというのは今の時代、ハードルが高いかもしれませんが、自分が先に相手を信じるからこそ相手も信じてくれるようになるのです。
例えば、ちょっとしたものであっても相手から何かをもらうと「お返ししなければ......」と思うものです。
他にも、仮に苦手な相手であっても相手が自分に好意を抱いているのがわかると「仲良くしなければ......」と思ってしまうようなこともあるでしょう。
これは返報性の原理という人間の持つ心理のひとつです。
それが物であろうが好意であろうが、相手からもらったらお返しをしなければいけないと思ってしまうのです。
自分が先に相手を信じることによって、それを感じ取った相手が今度は自分を信じてくれるようになるのです。
信頼関係を築きたいという気持ちがある場合、多くの方が「相手からの信頼を引き出したい」と考えてしまうものです。自分が先に相手のことを信じるというのは、盲点かもしれません。
イソップ寓話に「北風と太陽」というものがありますが、この話と同じように直接的に相手を自分の思い通りに動かそうとするのではなく、間接的に余裕を持って対応することが大切なのです。
多くの場合、人から信じられていることを感じると下手なことはできなくなります。
そういった意味では、自分が先に相手を信じてしまうことで相手の裏切りを予防することにもつながってくると言えるのかもしれません。
【電話応対編】信頼を築くためのメソッド
先ほどまでは、対面していることを前提に人の心理に基づく信頼関係を築くためのメソッドをご紹介しました。
もちろん、電話応対にも応用できる部分もありますが、電話応対となってくるとまた事情は違ってきます。
今度は電話応対において信頼関係を築いていくためのメソッドをご紹介していきたいと思います。
電話応対では相手の顔が見えません。
できることは電話越しに話をして、相手の話を聞くことだけです。だからこそ、この「話す」と「聞く」にすべてを込めていくことになります。
話すことも聞くことも普段から何気なくおこなっていることですが、電話応対では改めて意識しなければいけないポイントがたくさんあるのです。
まず、話すときには相手にとって聞き取りやすいかどうかを意識していきましょう。
余裕が感じられるような声の大きさやトーンだけでも、安心感や信頼感を持ってもらえるものです。
それにプラスして相手を心地よくなるような言葉を使うことも忘れないようにしましょう。
もちろん、唐突に褒めるといったことをしていると違和感を抱かれてしまいますので、「助かります」「ありがとうございます」といった言葉を積極的に使っていきましょう。
さらに、リアクションをするときに少し大げさにするのもおすすめです。
電話ではお互いの表情や身振り手振りが見えないので、リアクションは普段よりも少し大げさなくらいでちょうどいいのです。
次に、相手の話を聞くときです。
これはとにかく相手の話をしっかりと聞くことです。聞き流すのではなく、その内容をきちんと把握できるように努めましょう。
ただ黙って聞いているだけでは相手も不安になりますので、合間合間で相槌を入れることも忘れないようにしておきたいところです。
その上で、共感の姿勢を見せるようにしましょう。共感も自己開示と同じように、心理カウンセリングでも重視されるポイントです。話を聞くときに共感の姿勢を見せるだけで、相手の気持ちも変わってくるものです。
電話応対だけで信頼関係を築くのは難しいと思われがちなのですが、今の時代はお互いの顔が見えなくとも見ず知らずの相手と当たり前にコミュニケーションを取る時代です。
今の時代だからこそ、電話応対だけで信頼関係を築くハードルが下がっているとも言えるかもしれません。
対面してのコミュニケーションと電話越しのコミュニケーションだと、電話越しのコミュニケーションのほうが不利なように思えるかもしれません。
ですが、逆に考えれば見えないからこそ声や話し方などでいくらでも良いイメージを作っていくことができるのです。
「話す」「聞く」という当たり前のことを改めて意識して、電話応対でもしっかりと信頼関係を築いていきましょう。
>>編集後記<<
私たち電話代行サービスの電話秘書は、「聞く」「話す」ことのみで信頼関係を築く仕事です、と言っても過言ではありません。
誰でもそうだと思いますが、自分のことを第三者目線で客観的に見つめることはとても難しいことだと思います。
渋谷オフィスの電話代行システムには「通話録音サービス」という機能があります。新人時の研修期間中には過去に通話録音された様々な電話応対を徹底して聞き取ります。
その後いろいろなビジネスパターンを想定して、実践的なロールプレイングをします。 そのようして録音された自分の電話応対と先輩達の電話応対を客観的に聞き比べることができるのです。
また、録音を聞くことで初めて自分の「癖」を発見することができます。
カラオケなどの歌の練習でも録音は必須と言われています。 電話応対も同様で心地よいアクセントやリズム、声の高低、強弱、艶、声の感情などは、ロールプレイングと録音を繰り返すことで 確実に精度をあげていくことができます。
機会がありましたら、みなさんもぜひご自分の電話応対や歌を録音してみてください。面白い発見をしながら確実に電話応対も歌も上達していきます。