個人事業主が30代になる前に知っておきたい、準備しておきたい金融知識についてご紹介します。
自営業者や個人事業主の場合、国民年金以外は自分で学んで将来設計のために資産形成をしなければなりません。日本国自体が衰退するなかで、ただ日々働いているだけでは将来的な不安や経済的な不安に押しつぶされてしまうでしょう。
そこで、30代に入る前に最低限の金融知識 (積立投資、インデックス投資、iDeCo、NISA などついて) を学ぶ必要があります。もちろん20代のうちに金融知識について学ぶ機会があれば、早ければ早い方が良いかと思います。
個人事業主になぜ金融知識が必要?
なぜ金融知識が必要か?というと、個人事業主の場合は福利厚生もなく、国民年金も1階部分にしか加入することができません。会社員の場合は2階部分である厚生年金に加入できたり、企業年金が利用できたりもします。
個人事業主の場合、何も知らないないで学ばないで過ごしてしまうと将来に貰える年金もスズメの涙程度であり、老後や何か身体を悪くしてしまうとゲームオーバーになってしまいます。だからこそ、個人事業主は30代に入る前に最低限の金融知識を身につけることで、将来をもっとより良いものにすることができます。
個人事業主の老後の不安材料
個人事業主の老後の最大の不安材料は、終身で受け取れる年金が基礎年金 (国民年金) だけであり、今の若い世代が老後に今の年金受給者のように満額貰えるのか?と言っても疑わしく、そもそも基礎年金だけでは老後資金は圧倒的に足りないでしょう ...
老後2000万円問題なども過去にありましたが、平均寿命が伸びている超長寿化の日本において、果たして2000万円で老後資金が足りるのか?相当質素倹約に努めないと足りないのではないか?といった具合です。
不安材料を出すときりがありませんが、個人事業主にはそれを補うための制度がちゃんと用意されています。
- iDeCo (確定拠出年金)
- NISA (一般NISA、つみたてNISA)
- 小規模企業共済
自分年金と称される「iDeCo」、20年間の非課税期間がメリットの「つみたてNISA」や個人事業主のための退職金制度「小規模企業共済」などを利用することで節税になったり、将来、老後の資金を積み立てられる制度がありますので積極的に利用していきましょう。
個人事業主が会社員に比べて不利じゃないか ... と思うかもしれませんが、国は個人事業主 (自営業者) に様々な制度を用意しています。つまり知らないことが大きな損であり、知る必要、学ぶ必要があるのです。
【関連記事】個人事業主がまず始めるなら「iDeCo」、「つみたてNISA」のどちら?
個人事業主が知っておきたい「iDeCo」、「小規模企業共済」
特に個人事業主なら「iDeCo」と「小規模企業共済」を上手く利用したいところです。2つの制度を利用することで、国民年金基金では補うことのできない部分を更に補強することができます。
iDeCo とは?
私的年金制度の一つで、自分で商品を選んで積み立てを行うため自分年金とも言われています。加入は任意となり、全額所得控除となりますので非課税効果が大きな仕組みです。掛け金の上限金額は月に68,000円、年間に換算すると816,000円になります。
掛金の拠出から掛金の運用まで、全てを自分で行う必要があり、どこの金融機関にするか?(申込む金融機関によって若干商品も異なります)、どの商品を積み立てるか?などを全て自分で把握して選択する必要があります。
つまり、iDeCo を始めるには積立投資 (インデックス投資) や iDeCo の仕組みについて、まずは学ぶ必要があります。
つみたてNISAとは?
つみたてNISAとは、少額投資非課税制度です。年間40万円の非課税投資枠が用意されており、非課税期間が最長20年までとなっています。商品は投資信託に限られており、少額から毎月コツコツ投資することのできる制度です。
NISA には2つの種類があり、「つみたてNISA」と「一般NISA」というものがございます。自身に合った方を選択しましょう。私の場合は、iDeCo も小規模企業共済も積立ており資金的な余裕もあまりないため、一般NISAよりは少額投資のできる「つみたてNISA」の方を利用して積立ています。
小規模企業共済とは?
「国民年金」、「iDeCo」とは別枠で所得控除が受けられるのが小規模企業共済と言う仕組みです。国が作った経営者のための退職金制度です。掛け金の月額は1000円から70,000円までの範囲で選べ、全額が所得控除となります。商工会議所や金融機関等で申し込みすることができます。
「iDeCo」、「つみたてNISA」、「小規模企業共済」を利用することで、全額所得控除となり非課税のメリットを受けることができますので、まずは少額からでも良いので制度を利用してみましょう。
注意点
「iDeCo」、「つみたてNISA」、「小規模企業共済」の注意点についても確認しておきましょう。最低限、以下の注意点を把握しておけば何とかなります。
iDeCo は原則60歳まで脱退できない
注意点としては、iDeCo は原則60歳まで途中の引き出し、脱退はできません。途中でまとまったお金が必要になった場合も、原則として iDeCo を途中解約することはできませんので、自分が拠出できる金額を考慮して積み立てるようにしましょう。
掛金額の変更は、1年に1回可能
毎月拠出する掛金は後で増やしたり減らしたりすることも可能ですが、掛金額の変更は1年1回まで可能です。
例えば最初は毎月2万円くらいを拠出していましたが、仕事が軌道に乗り始め稼げるようになった場合は、自分の収入や所得と相談して拠出する金額を個人事業主のMAX、6,8万まで途中から引き上げることもできます。
逆に世界的に不況が訪れた時に、収入が減ってしまった、減りそうなので拠出する金額を少し減らしたいということも可能です。掛金額の変更するには運営管理機関のホームページから「加入者掛金額変更届」を取寄せて提出する必要があります。
おすすめの参考書
個人事業主で国民年金、iDeCo、小規模企業共済などを勉強するには、田村正之さんの『人生100年時代の年金戦略』がおすすめです。
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