電話代行サービスにおいて、頻繁に求められる業務の一つが電話の取り次ぎです。この記事では、効果的な電話の取り次ぎ方についてご紹介します。
電話の取り次ぎは、最終的に正確に取り次げればよいのですが、その対応が丁寧であるか雑であるかによって、会社の印象は大きく変わります。
「電話の取次ぎなんて簡単だよ」と思っていても、実際に電話がかかってきて取次ぎをする際にうまくいかず、焦ってしまって恥ずかしい思いをした...という経験をお持ちの方もいるかもしれません。
そんな方でも安心して対応できるように、ここでは5つの基本的なパターンをご紹介します。電話の取次ぎには、この5つのパターンがあることを覚えておきましょう。
それでは早速、「上手な電話の取り次ぎ方、5つのパターン」を見ていきましょう。
(1) 取り次ぐ相手にすぐ取り次ぐことができる場合
電話の取次ぎ方の基本的な流れについて、具体的なステップを以下にご紹介します。こちらはある意味基本形になりますので、しっかりと覚えてできるようにしましょう。
<電話の取次ぎ、基本的な流れ>
1. 復唱確認
↓
2. 待機依頼
↓
3. 保留
↓
4. 呼び出し
1. 復唱確認
最初に、相手が伝えた情報を復唱して確認します。例えば、「〇〇課の〇〇でございますね?」といった具合です。同姓の人がいる場合や、相手が部署名を指定しなかった場合に備え、課名、役職、フルネームを用いてしっかり確認しましょう。これにより、正確な取次ぎが可能になります。
2. 待機依頼
次に、相手に待機を依頼します。通常の「少々お待ちください」よりも、「少々お待ちいただけますか」と依頼の形にすることで、より丁寧な印象を与えます。この表現は、相手に敬意を払うニュアンスを含んでおり、ビジネス電話では適切です。
3. 保留
電話を保留にします。保留ボタンを押すことで、呼び出しの音や他の雑音が相手に聞こえないようにすることができます。これはプロフェッショナルな対応として重要です。
4. 呼び出し
保留をかけた状態で、担当者を呼び出します。この際に、相手の名前や用件を正確に伝え、間違いがないようにします。
こちらのステップを習得することで、電話業務における電話の取り次ぎがよりスムーズになり、相手に良い印象を与えることができます。
(2) すぐに呼び出せない場合
電話の取り次ぎの際に、すぐに担当者を呼び出せない場合の対応です。このような場合には、まず最初に丁寧なお詫びの言葉から始めることが大切です。
お詫びの言葉は、相手に対して誠意を示し、状況を理解してもらうための重要です。次に、担当者が不在である、もしくは現在電話に出られないことを明確に伝えます。
この際、担当者が不在である理由としては、以下の4つに限定して説明することが推奨されます。
- 席を外している場合(社内にいるが電話に出られない時)
- 出張中の場合
- 外出中の場合
- 休暇中の場合
これらの理由は、担当者が不在であることを丁寧かつ簡潔に説明するためのものです。ただし、相手に詳細な情報を伝えすぎないように注意が必要です。
例えば、「席を外している」と伝える際には、具体的にどこにいるかや何をしているかといった詳細な説明は不要です。あくまで必要最小限の情報に留めることで、個人情報の保護や、余計な誤解を避けることができます。
次に、担当者が不在であることを伝えた後、相手に対して「よろしければご用件をうけたまわりますが」と丁寧に尋ねることが大切です。
この一言によって、相手は自分の要件を伝えるか、または他の連絡手段を提案するかの選択肢を持つことができます。相手が要件を伝えたい場合には、しっかりとメモを取り、担当者に正確に伝えることが求められます。
もし相手が後ほど連絡を希望する場合や、別の手段で連絡を取りたいと希望する場合には、その要望に柔軟に対応し、適切なフォローアップを行いましょう。
(3) 折返しの電話を求められた場合
まず、相手が折り返しを希望する場合は、必ず電話番号を確認します。このとき、間違いがないように、番号を丁寧に聞き取ることが重要です。特に、電話番号の桁数が多い場合や、聞き取りにくい場合には、ゆっくりと確認するように心がけます。
電話番号を聞き取った後、その番号と相手の名前を復唱します。例えば、「電話番号は〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇、そしてお名前は〇〇様でよろしいでしょうか?」と確認します。このステップにより、誤りがないことを相手に確認してもらうことができ、安心感を与えることができます。
都合の良い時間や電話を受けられるタイムリミットを聞く
次に、相手の都合の良い時間や、折り返し電話を受け取れるタイムリミットを確認します。
例えば、「〇〇様がご都合の良い時間はいつ頃でしょうか?」や「何時までにご連絡すればよろしいでしょうか?」といった質問をします。
この情報を確認することで、担当者が適切なタイミングで折り返しの電話をかけることができます。
戻らなかった場合の対応を確認する
最後に、担当者が指定の時間までに戻らなかった場合の対応を確認します。
例えば、「もし担当者がその時間までに戻らなかった場合、どういった対応がご希望でしょうか?」と尋ねます。この質問により、相手が他の連絡手段を希望する場合や、後日再度連絡を受けることを望んでいる場合に、その要望に沿った対応が可能になります。
これができれば問題ありません。
(4) 伝言を依頼された場合
伝言を依頼された場合は、『伝言内容を聞く→丁寧に復唱する→自ら名乗る』の順番で対応するといいでしょう。最後に「戻り次第すぐにお伝えいたします。本日はありがとうございました」とつければ満点です。
伝言内容を正確に聞き取る
相手からの伝言内容をしっかりと聞き取ります。このとき、要点を逃さないように注意を払い、相手の話を遮らずに最後まで聞くことが重要です。具体的なメモを取りながら、伝言内容を確実に把握しましょう。
伝言内容を丁寧に復唱する
伝言内容を聞き取ったら、その内容を相手に復唱して確認します。例えば、「〇〇という内容で、〇〇様にお伝えいたします。これでよろしいでしょうか?」といった形で確認します。この復唱により、相手に伝言内容が正確に伝わっていることを確認でき、信頼感を与えることができます。
自ら名乗る
伝言内容の確認が終わったら、自分の名前を名乗ります。例えば、「私、△△が伝言をお預かりいたします」といった形で伝えます。自分の名前を名乗ることで、責任を持って伝言を預かる姿勢を示すことができます。
最後の挨拶
最後に、丁寧な挨拶を添えることで、電話対応の印象をさらに良くすることができます。例えば、「担当者が戻り次第、すぐにお伝えいたします。本日はお電話いただき、ありがとうございました。」といった形で締めくくると、相手に対して丁寧な印象を残すことができます。
(5) 社員の家族の場合
社員の家族からの電話対応は、通常の業務連絡とは少し異なり、より柔軟で親しみやすい対応が求められますが、ビジネス環境であることを忘れず、適切な敬語と丁寧な対応が重要です。以下のポイントを押さえて対応しましょう。
形式張らない対応
家族からの電話の場合、あまり形式張った応対は必要ありません。相手が家族であることを踏まえ、親しみを持って対応することが大切です。しかし、だからといってフランクになりすぎないよう注意しましょう。あくまでもビジネスマナーを守りつつ、温かみのある対応を心がけます。
社内の人間に対しても敬語を使用
家族からの電話対応においても、社内の人間に対しては、しっかりと敬語や丁寧語を使うことが大切です。例えば、「〇〇さんにお電話がありました」と伝える際には、「〇〇様、△△様からお電話がございました」といった形で敬語を使いましょう。これは、社内のコミュニケーションにおいても、相手に対する敬意を示すことになります。
通常の手順での対応
家族からの電話であっても、基本的な呼び出し、伝言、折り返しの対応は、通常の電話取次ぎと同じ手順で行って問題ありません。伝言を預かる際や、折り返しを求める際にも、丁寧に復唱し、確認を行うことで、正確な情報伝達が可能です。
緊急性に対する配慮
家族からの電話は、緊急の場合が多いことを念頭に置いて対応することが重要です。もし相手が緊急性を示唆している場合には、その旨をしっかりと伝え、早急に担当者に伝えるなどの対応をとることが求められます。また、相手に対して「すぐに対応いたします」といった安心感を与える言葉を添えると良いでしょう。
まとめ
以上の5つのパターンをしっかりと覚えておけば、どのような状況でも適切に電話の取り次ぎをすることができるでしょう。
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