新社会人、新入社員の皆さんの中には電話業務の一つである「電話の取次ぎ」が苦手だ、どのように電話を取次ぎして良いのか分からない ... という方もいるのではないでしょうか。
電話の取次ぎは、ビジネス電話マナーとしてもしっかりと抑えておきたいポイントです。こちらの記事では、電話の取次ぎ方の流れ、フレームワーク、ポイントについてご紹介します。
この記事を読めば、電話の取次ぎに対する苦手意識を改善できるはずです。繰り返しになりますが、電話の取次ぎは、電話業務の基本的なコミュニケーションスキルの一つです。
電話の取次ぎとは?
電話の取次ぎとは、電話業務の一つで、顧客やクライアントからのお電話を担当者や該当する適切な部署に電話を転送する行為を指します。
このプロセスは、企業や組織内での円滑なコミュニケーションを促進し、顧客満足度を高めるために不可欠です。電話の取次ぎが適切に行われることで、社内の情報伝達がスムーズになり、業務の効率化が図れます。
電話の取次ぎ業務は、担当者が不在の場合でも、重要な電話が他の担当者に引き継がれるようにすることで、ビジネスの継続性を確保します。これにより、顧客対応の途切れがなくなり、サービスの質を維持することができます。
迅速かつ正確な取次ぎは、顧客との信頼関係を築くための基本的な要素です。顧客が適切な担当者にすぐに繋がることで、問題解決が迅速に行われ、信頼性の高い企業として認識されるようになります。
電話の取次ぎには、単に電話を転送するだけでなく、相手のニーズを正確に理解し、適切な対応を行うための複数のステップが含まれます。
電話の取次ぎの流れ
電話の取次ぎの流れは次のような一連の流れになります。
- 1. 電話を受ける
- 2. 電話相手の会社名と名前を確認する
- 3. 電話相手の要件を伺う
- 4. 電話を保留にする
- 5. 担当者にどこの誰からかと要件を伝えて電話を取次いぐ
- (担当者が不在の場合はその旨を伝え、要件を伺う)
電話の取次ぎの流れとしては、電話を受けたら電話相手の「会社名」と「お名前」を確認しましょう。〇〇会社の山田さんからお電話があったとすると、次に要件を伺い「〇〇担当の田中さんいらっしゃいますか?」というような電話を受けたとすると、
電話の取次ぎを行うために、一度お電話を保留にし、田中さんに「〇〇会社の山田さんからお電話です」とお伝えし、電話を取次ぎするというのが一連の流れとなります。
電話の取次ぎ方フレームワーク
それでは実際に電話の取次ぎ方のフレームワークをみてみましょう。顧客やクライアントからお電話があった際に、担当者に電話を取次ぐ時は、次のような文言になります。
担当者がいる場合
あなた : 「はい、株式会社〇〇でございます。」
クライアント : 「〇〇会社の山田ですが田中様いらっしゃいますでしょうか?」
あなた : 「〇〇会社の山田様ですね、いつもお世話になっております。ただいま田中にお電話をおつなぎ致します。」
クライアント : 「よろしくお願い致します。」
あなた : 「田中様、〇〇会社の山田様からお電話です。」
(電話を一度保留にし、電話を取次ぐ田中さんに、山田さんからお電話が入った旨を伝える)
田中 : 「はい、わかりました。つないでください。」
あなた : 「かしこまりました、おつなぎします。」
担当者がいる場合は、上記のように担当者にどこの会社の誰から、どんな要件があったのか?をお伝えして電話の取次ぎが完了になります。
担当者が不在の場合
電話の取次ぎの際に、担当者が不在の場合は、その旨をお客様・クライアントにお伝えし、伝言や要件を伺いましょう。要件を伺う際は、必ず手元にメモ帳やノートを準備して、要件を書き留めておきましょう。
あなた : 「はい、株式会社〇〇でございます。」
クライアント : 「〇〇会社の山田ですが田中様いらっしゃいますでしょうか?」
あなた : 「〇〇会社の山田様ですね、いつもお世話になっております。申し訳ございません。ただいま山田は外出しております。宜しければ、メッセージをお預かりしますので、後ほど折り返しご連絡致します。」
クライアント : 「そうですか、それではお願い致します。戻りしたい山田までお電話頂けるようにお伝え下さい」
あなた : 「かしこまりました。そのようにお伝え致します。」
クライアント : 「よろしくお願いします。」
あなた : 「失礼致します。」
担当者が一時的に席を外している場合も、上記のような応対で要件 (メッセージ) をお伺いして、折り返し担当者から連絡するようにお伝えしましょう。
電話の取次ぎ方のポイント
次に電話の取次ぎ方の必ず抑えておきたいポイントを幾つかご紹介しますので、以下のポイントを必ず頭に入れておきましょう。
- 相手の会社名、お名前、ご要件を確認する
電話相手 (顧客・クライアント) によっては、電話をかけてくる際に会社名やお名前、ご用件を仰らない場合もあると思います。その際は、「会社名とお名前」を必ず確認しておきましょう。
電話を取次ぐ際に、どこの誰から電話がかかってきているのか?を明確にすることで取次ぎ相手にもスムーズに電話を取次ぐことが可能になります。
また、相手が急いでいて要件を聞けるような状況ではない時を除き、要件も軽く伺うようにしましょう。こちらも電話を取次ぐ際に要件が分かっていた方がスムーズに電話の取次ぎが可能になります。
- メモ帳/ノートを用意しておく
電話対応が苦手、電話対応に集中し過ぎて応対内容を忘れてしまう、というような方は、必ず電話対応中にメモを取るようにしましょう。このメモは相手に正しい情報伝えるために取るものですので、自分が分かれば問題ありません。
対話中に交わされる情報をリアルタイムで書き留めることで、内容を後で確認することができます。これは、情報の正確性を保証し、誤解や忘却を防ぐために非常に重要です。また、メモを取ることで、応対中に集中力を維持しやすくなります。
メモを参照することで、応対後のフォローアップがスムーズに行え、全体的なコミュニケーションの質が向上します。更に、メモを活用することで、対応中の不安を軽減し、自信を持って対応することが可能になります。これは、特に電話対応に自信がない人にとって、大きなメリットです。
- 正確な情報を伝える
電話を受けた際には、相手の名前、会社名、電話番号、そして用件を正確に把握することが重要です。これらの情報は、担当者に正確に情報を伝えるために不可欠です。情報をメモする際には、特に連絡先に誤りがないように注意し、確認のために相手に聞き取った連絡先を一度確認しましょう。
電話の取次ぎは、新入社員にとって初めての電話業務かもしれませんが、これらのポイントに注意して対応することで、緊張せず、苦手意識も持たないで電話応対が可能になります。経験を積むことで自信がつき、より効果的なコミュニケーションスキルを身につけることができるでしょう。
- 大事な情報は復唱して確認する
担当者が不在で、不在応対になる場合は、電話があった相手の会社名、お名前、お電話番号、ご要件をしっかりと伺う必要があります。特に相手の電話番号は間違いなく伺わないと、電話番号を聞き間違ってしまうとトラブルになりかねませんので、電話番号など大事な情報を伺う場合は、必ず復唱して確認して下さい。
復唱することで、伝えられた情報の正確性を相手と共有し、誤解を未然に防ぎます。復唱による確認は、相手に対して、情報を大切に扱っているという印象を与え、信頼関係の構築に寄与します。特に電話番号など、後で連絡を取り戻すために重要な情報は、間違いがあると連絡不能というトラブルにつながります。復唱確認は、こうしたトラブルを効果的に回避する方法です。
- 電話対応トレーニング
最後に、電話の取次ぎで有効的なことは電話対応をトレーニングすることです。何事もそうですが、電話の取次ぎのトレーニングを何度も行うことで、頭で体で理解することができます。
電話代行サービスを利用する
一方で、事業者様や個人事業主様にとって、電話の取次ぎなど電話業務にこれ以上時間が取られてしまうのはもう耐えれない ... という方も多いのではないかと思います。
そのような場合は、低コストから利用できる「電話代行サービス」のご利用をおすすめします。
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