私たちは普段から「話し言葉」と「書き言葉」をなんとなく使い分けています。
ただ、「話し言葉」と「書き言葉」の使い分けが曖昧になってしまうこともあり、その使い分けのせいで損をしてしまうこともあります。
特に、ビジネスでは「書き言葉」を使うのがいいとされています。ここでは、ビジネスで「書き言葉」を使うメリットについて具体的にご紹介していきたいと思います。
ビジネスで書き言葉を使うと相手に敬意が伝わる
ビジネスで書き言葉を使うメリットとして、まず挙げられるのが相手に敬意が伝わるという部分です。
例えば、お店で何かを購入したときにお店の人からため口で話しかけられるのときちんとした言葉遣いで話しかけられるのとでは、印象がまったく違うかと思います。
きちんとした言葉遣いで話しかけられれば、敬意を払ってもらえていると実感できるでしょう。
ビジネスにも上下関係はありますが、今は働き方が多様化してきています。そのため、これからは上下関係よりも横のつながりというものが重視されてくるでしょう。
敬意というと上下関係で必要になるものと思われがちなのですが、横のつながりが重視されるようになるからこそ相手へ敬意を伝えることの重要性も増してくるのです。
プライベートではある程度フランクなやり取りをするような相手でも、ビジネスでは書き言葉を使うことによって「仕事をする相手として敬意を払っていますよ」というアピールになります。それと同時に、書き言葉で相手へ敬意を払うことがスイッチの切り替えになるという部分もあるでしょう。
ビジネスで書き言葉を使うと信頼を得られる
ビジネスで書き言葉を使うメリットとしては、信頼を得られるという部分も挙げられます。
極端な言い方をすると、堅い文章で書かれている論文などはその中身の真偽が不明でもなんとなく信頼性を感じてしまうというのと同じような感覚です。同じ内容でも書き言葉だと信頼につながるのです。
例えば、「社内で他のみんなと話し合って考えますね」という表現と「社内にて検討いたします」という表現であればどうでしょうか?前者は軽いノリで「大丈夫かな?」と思ってしまうのに対して、後者であれば「しっかりしていそうな人だから大丈夫!」と信頼してしまうはずです。
このように考えていくと、ものすごく仕事ができる人でもビジネスで書き言葉を使わなかったがゆえに信頼を得られなくなっている方もいるわけです。逆に、そこまで仕事ができなくとも書き言葉を使うことで信頼を得ているという方もいます。
信頼というのは、ビジネスの基本です。一度でも「信頼できない」と思われてしまうと、その後、その相手と仕事をするのは難しくなるでしょう。
ちょっとした言葉ひとつで信頼を失ってしまうのは、本当にもったいないことです。ビジネスで書き言葉を使うということだけではなく、日頃から自分の言葉には気を付けていきたいものです。
ビジネスで書き言葉を使うと誤解のリスクを抑えられる
ビジネスで書き言葉を使うメリットとして最後に挙げられるのが、誤解のリスクを抑えられるという部分です。
言葉というのはとても便利なツールではありますが、話してやり取りをするにしても書いてやり取りをするにしても、誤解を招いてしまうリスクはあります。ただ、書き言葉であればその誤解のリスクを抑えられるのです。
書き言葉というのはお堅い印象を受けるものですが、その分、誰が見聞きしても同じように受け取れるような言葉です。まったく誤解を招かないとは言えませんが、方言などが入ってくる可能性のある話し言葉よりは確実に誤解を招くリスクは抑えられるでしょう。
ビジネスにおいて、誤解というのは死活問題です。
そこに悪意がなくとも悪意があったと捉えられてしまう可能性もありますし、誤解したまま発注してしまったことなどをきっかけに業績が傾くようなこともあるでしょう。お互いに誤解を回避するためにも、ビジネスでは書き言葉でやり取りをするのが望ましいのです。
ビジネスで使う「書き言葉」の例
ビジネスで無意識のうちに話し言葉を使っているという方は少なくありません。確かに今はビジネスでも話し言葉を使ったほうがいいツールなどもあり、混乱してしまう部分もあります。
ただ、ビジネスでよく使う書き言葉というのは押さえておいたほうがいいでしょう。ここでは、ビジネスでよく使う書き言葉をご紹介していきたいと思います。
【すみませんorすいません→申し訳ございません】...謝罪が必要なときに思わず「すみません」「すいません」といった言葉を使ってしまう方は多いです。
ただ、これでは軽い印象になってしまい、逆に相手を怒らせてしまう可能性があります。謝罪をするときには「申し訳ございません」という書き言葉を使うようにしましょう。
【どうしますか→いかがいたしますか】...「どうします?」「どうしますか?」といった表現は無意識のうちに使ってしまいがちです。友達に話しかけているわけではないのですから、「いかがいたしますか?」という書き言葉に置き換えるようにしましょう。
【~しときました→~しておきました】...これも無意識に使っていることが多い表現です。話しているときにこういう表現が出ると雑な印象を与えてしまいますので、より丁寧な書き言葉に置き換えるようにしてください。
【ないです→ありませんorございません】...相手とやり取りをしているときに何かの有無を尋ねられることもあるでしょう。そういったときに「ないですね~」といった返事をしてしまう方も多いのですが、これも印象が悪くなってしまいます。「ありません」「ございません」といったより丁寧な表現に置き換えるようにしましょう。
【こっち、そっち、あっち、どっち→こちら、そちら、あちら、どちら】...いわゆるこそあど言葉なのですが、これもつい話し言葉が出てしまうという方も多いです。「こっちで処理します」「どっちがいいですか?」ではなく、「こちらで処理しておきます」「どちらがよろしいでしょうか?」と書き言葉に置き換えるようにしてください。
【電話応対編】ビジネスで書き言葉を使うメリット
最後に電話応対についても、触れておきたいと思います。今回はビジネスで書き言葉を使うメリットということでお話してきましたが、私たち電話代行サービスの電話応対でも基本的に話し言葉を使うことになります。書き言葉をそのまま話すとお客様に違和感を与えてしまうのです。
ただ、電話応対での話し言葉というのは書き言葉をより柔らかくわかりやすいように話し言葉に置き換えたものです。そのため、話し言葉でも悪い印象を与えることはありませんのでご安心ください。
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