いきなりですが、電話応対で重要なのは、何よりもホスピタリティです。
ホスピタリティというのは、一般的に日本語では「おもてなし」と訳されることの多い言葉ですが、プロの電話応対では「おもてなし」だけでは不十分だと思っています。
ではここで、改めてホスピタリティとは何なのか一緒に考えてみましょう。
ホスピタリティとは何なのか?
まず、「おもてなし」として捉えられるホスピタリティの概念は『1対1』の関係です。例えば『主と客』一般の仕事においては『企業と顧客』などがその関係性の基本ですよね。
このときに、お相手であるお客様にいかに満足していただけるのか、その満足を引き出すのがホスピタリティの基本です。
ただ、プロのホスピタリティはこの1対1の関係性でも、これだけで満足はできません。なぜならば、特に電話代行の仕事はお客様の代行としてに電話を受けているのですから、満足いただくべきお客様は、電話の向こうにいらっしゃる方だけではなく、ご依頼いただいた方もまたお客様だからです。
相互利益の構築
ですから、そこに必要なのは『相互利益の構築』になります。もちろんこれは電話代行の仕事だけではなく、すべての電話応対に必要なことでもあります。
つまり「おもてなし」で満足し、そして素敵な時間を過ごすことができるのが『お相手=顧客』だけでは不十分で、その応対が自分たちの満足につながって初めてしっかりしたホスピタリティとなっていきます。
さらに、プロである私たちが意識しなければいけないホスピタリティには、もう1つの目標があります。
社会に対するホスピタリティ
それは、社会に対するホスピタリティです。私たち電話代行も、1つの企業として存在する以上社会貢献は必要です。
そして、私たちができる社会貢献の1つこそが、この社会に対するホスピタリティであり、私たちの電話応対にはこの社会貢献という広義のホスピタリティに対する思いがなくてはダメだと思っています。
私たちが電話応対を代行することで、社会にどんな「おもてなし」ができるのか。例えばこうして、正しい電話応対の方法や、その意義を考えて文章にすることもそうですが、電話応対の中では正しい日本語をしっかりと継承していくこともそうでしょう。
私たちの存在が、円満で円滑な企業同士のお付き合いや企業と顧客の関係性を構築する一助になっていると考えれば、そのこともしっかりと意識することも、立派な社会へのホスピタリティであると信じています。
電話応対とホスピタリティ
そう言われれば、私達には壮大で大げさかもしれませんが、こういったことも意識するべき、と思っています。さて、では、これは私たち電話代行の人間だけに必要なことでしょうか?
もちろん『そうでなければいけない』というほどのものではないかもしれませんが、それを意識して電話応対をすることはきっと大切なことだと思います。
マニュアルに頼りすぎないこと
それは電話応対のテクニックよりも、ずっとずっと大事なことだと思っています。さて、そこで、電話応対のホスピタリティですが、大切なのは「マニュアルに頼りすぎないこと」です。
まず基本的に大切なのは、当たり前のビジネスマナー、そしてきちんとした敬語を使えること。これは、いわゆる基本で、社会人として出来ていなけれないけないものです。
そして、マニュアルに頼りすぎないと言っていながら恐縮ですが、マニュアルもしっかりと身をつけて、基本的なテクニックを身に着けておくことも大切です。
そして、その上でマニュアルにとらわれないことです。というのもマニュアルというのは、70点を目指すためのテキストだからです。
その方法を使えば、とりあえず誰に対しても不快感を与えずに話すことができる、というのがマニュアルであって、そればかりに従っていたらそこにあるのは『不快感を与えない』電話応対だけになります。
ホスピタリティの目標
それでは、ホスピタリティの目標として目指すべきお相手の方の満足だけでなく、その先にある相互利益の構築には遠く及ばない電話応対になってしまうと考えています。
ですので、基本的なマナーやマニュアルを身につけたら、人としての思いやりと気配りをきちんと発揮すること。「人としての...」これ本当に大事です。
自分に与えられた職域の中で、お相手の方のためにできるあと一歩を常に考えることが、人して本当に大事です。これは何も電話代行業に限ったことではありません。
お相手の方がいったい何を求め、何を考え、どうして欲しいのかを把握するために常に神経を張り巡らせて、その声の調子や話し方から読み取ろうとすること。どうすれば、満足してもらえるのかを、常に心においておくこと。
そして、これくらいすればよいだろうという限界を自分の中に作らず、お相手の方の満足のために常により上を目指していくことが大事だと思っています。
ホスピタリティは、社会へも向けられるもの
そして、心の隅にでも、ホスピタリティが社会へも向けられるものだということを覚えておくことも大事なことだと思います。それが商談でも契約でも、そして苦情やクレームであっても。
人と人との円滑な関係性を築いていくのが会話であり、電話で行うそれが電話応対なのですから、大げさかもしれませんが、常にそのことを頭において対応していくのがいいかもしれません。
そうすればきっと、仕事の電話一本であっても、大きな充足感のある仕事になるはずです。
電話応対におけるホスピタリティを高めるためのポイント
最後に、電話応対におけるホスピタリティを高めるためのポイントについて解説致します。
1. 聞き手としてのスキルを磨く
お客様の話をしっかりと聞き、理解することが重要です。途中で遮らず、話を最後まで聞くことで、お客様は自分の話を理解してもらえていると感じます。
2. エンパシーを持って対応する
お客様の立場に立ち、感情を理解し共感することで、信頼関係を築くことができます。お客様の不安や悩みに対して共感し、適切な言葉で励ましましょう。
. 明るく丁寧な言葉遣い
電話では表情が見えないため、声のトーンや言葉遣いが非常に重要です。明るく丁寧な言葉遣いを心掛け、お客様に好印象を与えましょう。
4. 迅速な対応
お客様の問い合わせや要望に対して迅速に対応することで、お客様の満足度を高めることができます。待たせることなく、スムーズに対応しましょう。
5. サービスの提供「おもてなしの心を持つ」
単に問い合わせに答えるだけでなく、日本人特有の「おもてなしの心」を持って電話応対することで、自然と相手にも伝わる丁寧な応対で相手をもてなすことができます。
このように電話応対においても、ホスピタリティを大切にすることで、お客様の満足度を向上させ、会社としての評判も向上します。電話応対は会社の「顔」とも言えるため、ホスピタリティを高める努力を惜しまないことが重要です。
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