今回は、電話応対講座として、温かみのある電話対応・応対についてプロの電話秘書がご紹介します。
電話対応の場面で、先方から「○○ですが、営業課の○○さんをお願いします」というように担当者を指名して電話がかかってきた場合、どのような対応が望ましいでしょうか?
このような場面で、「はい、少々お待ちください」とだけ答えるのは、確かに必要最低限の要件を処理していることになります。しかし、この対応では、相手に対して事務的で冷たい印象を与えてしまうことがあるのです。
ビジネスにおいては、効率性が重要視されますが、それだけでは相手との信頼関係を築くことは難しいでしょう。
事務的な対応の一歩先へ
そのため、このような状況では、「○○様ですね、いつも大変お世話になっています。○○につなぎますので、少々お待ち下さい」といった言葉を添えることが望ましいでしょう。
こうした言い方をすることで、相手に対して温かみのある印象を与えることができ、単なる事務的な対応から一歩進んだ、心のこもった電話対応となります。
このような細やかな配慮は、相手に対する敬意や感謝の気持ちを伝えるだけでなく、会社全体に対する信頼感や安心感を持ってもらうことにもつながります。
日常の電話応対の中で、こうした温かみのある対応を意識することで、より良いビジネス関係を築く一助となるでしょう。ビジネスの現場では、些細なことが大きな信頼を生み出すことがありますので、ぜひこのような心遣いを大切にしてください。
電話対応を工夫する
このように、電話対応の仕方を少し工夫するだけで、相手に与える印象は大きく変わります。電話応対では、状況に応じてなるべく臨機応変に対応することが求められます。
特に、相手を待たせる際の対応には細心の注意が必要です。
相手を待たせる際は、細心の注意を
「少々お待ちください」と伝えた後、相手を待たせる時間には限度があります。一般的に、1分程度が限界と考えられており、それ以上待たせてしまうと相手に不快感を与える可能性があります。
実際には、30秒ほど経過しただけでも「遅いな」と感じる人も少なくありません。そのため、取り次いだ際に、社内の担当者が席を外している場合や、すぐに対応できない状況であることがわかった場合には、迅速に対応を変更することが大切です。
例えば、「申し訳ございません。○○は只今席をはずしておりますので、後ほど折り返しこちらからおかけいたします」と伝えることで、相手に対する配慮を示し、無駄に待たせることを避けることができます。
このように、状況に応じて適切な対応を心がけることで、相手に対する印象を良くし、信頼を築くことができます。電話応対では、相手の立場に立って考え、柔軟に対応することが何よりも重要です。
少しの配慮や工夫が、大きな差を生むことを忘れずに、常にプロフェッショナルな対応を目指しましょう。
まとめ
電話応対において、温かみのある応対は非常に重要な要素です。電話の向こう側にいる相手には、こちらの表情や姿勢は見えませんが、声のトーンや言葉遣いを通じて、誠意や配慮を伝えることができます。
さらに、相手を待たせる時間についても注意が必要です。1分以上の待ち時間は、相手に「遅い」と感じさせてしまう可能性があります。
この記事でご紹介したように、少しの工夫で相手に与える印象は大きく変わります。常に臨機応変に対応し、相手に対する思いやりを持つことで、信頼感を高めることができます。