テレワーク導入実態調査結果
東京都が2020年9月に発表しています「テレワーク導入実態調査結果」では、テレワークの導入率が大企業だけでなく、中堅・小規模企業のでも大幅に上昇していることがグラフで示されています。
1. テレワークの導入率
グラフ出典 : 東京都
この時期になると大企業だけでなく、危機感を持った中堅・小規模企業でもテレワークの導入率が大幅に上昇したことが示されています。令和元年度調査より2倍以上の企業でテレワークが導入されました。
2. テレワークの導入効果
通勤時間の削減、非常時の事業継続、育児・介護対応等への効果が上位になっています。テレワークに切り替えたことで、従業員の通勤時間、 勤務中の移動時間の削減につながり効果があったことが示されています。
また今回のコロナのように、災害時でも事業を継続できるような訓練としてテレワークを導入し、今後に備えるというような企業も続出しました。
3. テレワークの継続・拡大意向
企業におけるテレワークの継続・拡大の意向は8割を超えており、ロックダウン終了後でも社員に選択肢としてテレワークを選べるようにしている企業も多くあります。それを表すようにテレワークの継続したいと考えている企業は80.4%と高い数値となっています。
4. テレワークの定着・拡大のために必要なこと
テレワークを定着させるためには、ペーパーレス、コミュニケーションツールの導入、サテライト整備などがあげられています。中でもコミュニケーションツール = TV会議システム (ZOOM)、チャットツール (Slack、Chatwork、LINE) の導入、自宅以外の場所でテレワークができる環境の必要性を訴えています。
まとめ
IT企業ではいち早くテレビ会議システムの Zoom が取り入れられ、社内会議がオフィスに変わって在宅で Zoom を利用して行われるようになりました。社内の連絡は Slack などのチャットツールで行われ、出社しない在宅で仕事するスタイルが当たり前のようになっています。
「テレワーク導入実態調査結果」では2020年秋の時点でテレワーク導入率が中小企業の間でも半数以上に及んでいることがわかります。2021年になり、再び東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県に緊急事態宣言が 1/8 〜 2/8 まで発表されました。年末にイギリスや南アフリカで発見され感染力の非常に強い突然変異の新型コロナウイルスが爆発的な感染拡大を招いています。
既に年始には日本やアメリカでもこの突然変異したウイルスに感染した人が出てきており、Gideon Lichfield が2020年3月に掲載した論文「We're not Going Back to Normal」に書かれているように、コロナ前の生活には戻れないのではないか?という懸念を抱かざるを得ないような状況が続いています。企業にとってはコロナ前に戻るのを祈るのではなく、コロナ禍でもビジネスを進められるように、テレワーク体制を整えるなど今すぐに決断して行動を起こすことが求められています。